muu / PIXTA

「リンパの流れを止めないで」あなたの免疫力を維持するために

リンパ系は、人体の免疫系の中で重要な役割を果たしています。

ところが、リンパは閉塞しやすく、一旦リンパ管が詰まると全身に悪影響を与えることになります。

リンパの流れを滞らせないために、ちょっとしたコツをマスターしてください。

 

リンパ節は「外敵と戦うためのトーチカ」

リンパ系は細かい木の枝のようで、全身に管状のネットワークが広がっています。リンパ管はリンパ液を運んでおり、管の各要所にリンパ節があります。

ここで様々な有害物質や細菌ウイルスをろ過することができます。リンパ節はリンパ球の製造も担っていて、リンパ球は白血球の一種です。

リンパ液が流れる際、リンパ節は侵入してきた外敵である細菌やウイルスと戦うための「トーチカ」の役目を果たします。がん細胞も、ここで遮断されます。

よく風邪をひいた時などに、リンパ節が腫れることがあります。

これは「腫れて炎症を起こすことによって血管を広げ、より多くの白血球が入るようにして、風邪ウイルスを除去する」という体の正常な免疫反応なのです。

 

リンパ管は「閉塞しやすい」

リンパ管も血管も、すべて体内に存在する体液の管路です。

血管には24時間止まることのない心臓という「モーター」があり、心拍によって血液を運ぶことができます。リンパ管にはそれがなく、身体活動、筋肉の運動、体温を推進力としてリンパ液を全身に輸送するしかありません。

つまり「心臓に相当するモーターがない分、リンパ液は詰まりやすい」ということになります。リンパ液が詰まって滞ると、免疫抑制や肥満、浮腫などを引き起こしやすくなります。

一定の高さの体温、必要かつ適度な運動、呼吸のリズムにより、リンパ管の開きが維持されています。

しかし一方で、私たちをとりまく多くの因子がリンパ管閉塞の原因となっています。

デスクワークで同じ姿勢の時間が長い、運動する時間がない、一部の筋肉をいつも緊張させている、オフィスなどの密閉された空間にいる、日に当たる時間が少ないなどは、いずれもリンパ液が滞留する原因になるもので、こうしたリンパの閉塞が長引くと、免疫機能がどんどん衰えていくのです。

 

簡単な方法で「リンパ液はどんどん流れます」

リンパ管が閉塞すると、以下のような全身性の悪影響が生じます。

免疫機能が低下すると、目だって病気に罹りやすくなります。また、しばしば疲労や筋肉中を感じ、体を動かすことを望まなくなってしまうのです。

また、基礎代謝が低下して、しかも運動を厭うようになりますので、確実に「太りやすい体質」になります。体の浮腫、とくに下半身の腫脹が見られることもあります。

リンパ管にはたくさんの弁があって、リンパ液を一方向にしか流すことができません。

これを逆に考えれば、「リンパ液に前進するエネルギーが働いていれば、リンパ液は常に流れ続ける」ということになります。

そこで、生活の中にあるさまざまな方法で、楽しみながら、リンパ液がスムーズに流れるようにしましょう。それはあなたの体内にある毒素を、必ずデトックス(排出)してくれます。

入浴、足湯、温湿布、ドライヤーで体を温めることは、血行を良くするとともにリンパ液の流れも改善します。マッサージストレッチ、叩打法(こうだほう)という手技で膝の裏(ひかがみ)を叩く方法もよく効きます。

そのほか、ベッドに横になり、脚の位置をしばらく高くすることでリンパ液を心臓の方向へ戻す方法もあります。

運動で汗を流した後、お風呂へ入って体を温めてから、ゆっくり筋肉を伸ばすストレッチをしてください。運動後の重い疲労感が心地良い疲れに変わり、血行が良くなるとともに、リンパ液の流れも全開。ご自身の健康の喜びを実感できることでしょう。

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)

関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。