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秋冬の季節 「旬」の野菜は滋養が豊富

言うまでもないことですが、日本語の「野菜」とは、ただの野草ではなく、人間が食用に供するために栽培した植物のことでEditorヘルプす。ほかに蔬菜(そさい)という言い方もあり、中国語ではこの「蔬菜」を用いています。

 

野菜とは本来「野にある菜」

 

今日、野菜は、都市部の消費者の食卓あるいは外食産業に、いかに安定的に供給するかという重要な「経済」の一部になっています。

扱う金額としては、おそらくガソリンや小麦粉の比ではなかろうと思います。しかし野菜の場合は、「長雨つづきで、青物野菜が高騰している」などという敏感な表現で伝わりますので、国民生活には極めて身近な響きで聞こえてくるのです。

そのようなわけで「野菜」のもつ意味は、昔から現代までにずいぶん変わってきたように思うのですが、野菜が「自然の恵み」であるという点は、おそらく変わってはいないはずです。

この場合の「自然」とは、神、天、といった言葉に代替できます。農業がいかにシステム化されても完全に工業にはならない、つまりファーム(農場)がファクトリー(工場)にはならない理由が、そこにあるのでしょう。

我が国最古の歌集『万葉集』の冒頭歌「籠もよ、み籠持ち、掘串もよ、み掘串持ち、この丘に、菜摘ます児」は、雄略(ゆうりゃく)帝が丘の上に立ち、おそらく国見(くにみ)をされているときに、そこで菜を摘んでいた美しい娘に目をとめ、おん自ら声をかける場面です。

この菜は、大自然のなかにある、滋味そのものです。あえてそれを現代の言葉で表現するならば「」という用語に、わずかに同類のニュアンスが残されています。

 

「旬」の野菜には、良いことがいっぱい

 

実際、季節に合った旬の野菜や果物は、価格が安いだけでなく、栄養価が高く、味も良いと言われています。

野菜が「工業製品」ではなく、自然の産物であるならば、季節の滋味と神仏の恵みを感謝していただくために、旬を大切にする意識を、都会の消費者も持ちたいではありませんか。

 

季節は秋。そして迎える冬。これからの季節に「旬」となる野菜を10種、挙げてみましょう。

1、大根

大根は、野菜のなかの良品であるだけでなく、漢方医学からみた抗がん効能もあります。新鮮な大根には、水分のほか、ビタミンA、Cが多く含まれていて、体の細胞を正常に保ち、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。また、大根には太いセルロースが豊富に含まれていて、胃腸の動きを活発にし、大腸がんの発生を予防します。

2、里芋

里芋には、デンプン質、ミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。

その豊かな栄養は、体の免疫機能を強化することができ、がん予防にも効果を発揮します。そのほか里芋には、タンパク質、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カロテン、ニコチン酸、ビタミンC、B、サポニンなど多種類の成分が含まれています。

がん手術後の放射線治療や化学療法を受けている患者にとって、里芋は、回復過程における補助作用があります。また、柔らかく調理した里芋は、乳糖を含み、消化しやすく、健胃の作用を有しているため、療養中の患者のほか、乳幼児や高齢者にも適しています。

3、ブロッコリー

ブロッコリーは、栄養価が高いうえ、ヘルシーな野菜です。

タンパク質、脂肪、リン、鉄、カロテン、ビタミンB 1、B 2などのほか、特にビタミンCが豊富です。

授乳期を過ぎて、食べられるようになった赤ちゃんには、柔らかく調理したブロッコリーをよく食べさせてください。成長を促進し、歯や骨を維持し、視力を保護し、記憶力を高めます。また、ブロッコリーは肝臓の解毒作用を高めて、体の免疫力を強化します。

4、レタス

レタスは、胃液の分泌や、胆汁の分泌を促します。レタスには、ナトリウムの27倍ものカリウムが含まれているうえ、排尿の促進や水分バランスの維持にも役立つビタミンが含まれているため、高血圧や心臓病の患者にも有益であるといいます。また、レタスはヨウ素の含有量が多く、人体の基礎代謝や体格の発達に良い影響を与えます。

5、セロリ

セロリには、血圧を下げ、血脂を下げるはたらきがあることが判っています。

そのほか、セロリは健胃、利尿、血の浄化、月経調節などの効果があります。セロリは炒めてもよく、また絞ってジュースにしても利用できます。

6、サツマイモ

「サツマイモは太る」と思って食べない人が多いようですが、実はその反対で、サツマイモは太らないばかりか、ダイエットに役立つのです。

また、サツマイモは食物繊維を多く含みますので、腸を刺激し、蠕動を増強し、便通をよくしてデトックス(排毒)を促します。特に、老年性便秘に良好な改善効果があります。サツマイモを食べるときは、焼く、煮る、蒸す、いずれもしっかりよく火を通してください。

7、キャベツ

キャベツには、ビタミンCがトマトの3.5倍、カルシウムがキュウリの2倍含まれています。またキャベツには、微量元素のモリブデンやマンガンも含まれており、酵素やホルモンなどの活性物質の製造に欠かせない原料となっています。それらは代謝を促進することができ、子供の発育にも非常に有利です。また大量のビタミンCは、人体の抗がん能力を強化します。

8、チンゲンサイ

チンゲンサイは、ビタミンC、カルシウムのほか、鉄、リン、カロテン、ビタミンB類なども含まれています。チンゲンサイは年間を通じて生産されますが、白菜と同様に、秋から冬の季節が香りもよく、甘味も増します。

9、もやし

もやしの元である大豆や緑豆のなかには、タンパク質、脂肪、炭水化物、ナトリウム、リン、鉄、カルシウムなど、人体に必要な微量元素が含まれています。

また、もやしは、安価な野菜でありながら、ビタミンC、ビタミンE、葉緑素などの栄養分が豊富で、疲労回復にも効果があります。もやしの葉緑素は、直腸がんを予防すると言われています。

10、ニンジン

ニンジンは人の健康に有益な野菜です。タンパク質、脂肪、炭水化物、および比較的多いカリウム、カルシウム、リン、鉄などの無機塩以外に、非常に豊富なカロテンを含みます。

漢方医学では、ニンジンを食べると脾臓を補い、胃を健康にするとしています。

 

(翻訳編集・鳥飼聡)

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