10月8日、国会で所信表明演説を行う岸田文雄首相 (Photo by CHARLY TRIBALLEAU/AFP via Getty Images)

岸田首相、プーチン大統領と電話会談 トップ会談の順番「厳密な意味はない」

岸田首相は7日夕方、ロシアのプーチン大統領と電話で首脳会談を行った。首相は会談後の会見で、ロシアとの関係において北方四島の帰属問題を明らかにして平和条約を締結するとの基本方針は変わらないと述べた。

電話会談のなかで、岸田首相は、2018年のシンガポール合意などこれまでの合意を踏まえ、平和条約締結を目指すこと、また日露関係全体を互恵的に発展させる考えを伝えた。

クレムリンは、岸田首相誕生当日の4日に祝意メッセージを発表。プーチン大統領は「日露間のさまざまな分野における建設的な協力を促進することが、両国の基本的な利益につながることは疑いの余地がない。私はロシアが対話を重視し、二国間、地域、国際的な議題について協力していくことを望んでいる」と述べたという。

岸田首相は2016年外相時代、プーチン大統領とサンクトペテルブルグ市内で会談している。

岸田首相はこれまで、バイデン米大統領、オーストラリアのモリソン首相と会談を行なっている。会談の順番について「先方の事情や調整もあり、順番が厳密に意味するものはない」と述べたうえで、「トップ同士の意思疎通を図る第一歩としての電話会談を調整する」と述べた。

※シンガポール合意 安倍総理とプーチン大統領のシンガポール首脳会談で交わされた合意。2016年12月の首脳会談以降、新しいアプローチの下での協力の積み重ねにより培われた信頼の上に、「日ソ共同宣言(1956年)を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことで合意した。

(佐渡道世)

 

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