パソコン画面に映し出されたウィキペディアのトップページ(Peter Macdiarmid/Getty Images)

ウィキペディア、中国人ユーザー7人らにアクセス禁止措置=報道

ウィキペディアを運営するウィキメディア財団はこのほど、中国国内にいる利用者7人の同サイトへのアクセスを禁止し、他の12人の管理者アクセスなどの権限を取り消す措置を講じた。香港英字メディア「ホンコン・フリー・プレス(HKFP)」14日付が報じた。

それによると、ウィキメディア財団は、中国本土の利用者を「調査した」上で、同措置を決定した。

HKFP7月の報道では、2019年の香港民主化運動に関して、ウィキペディア上では、香港政治に関する「編集合戦」が繰り広げられた。中国本土の一部の編集者は、情報提供と記述・表現方法をめぐって香港側の編集者に対して、香港の警察当局に通報すると脅迫した。

当時、ウィキペディアでは、「香港抗議活動」のページは1日に65回も編集された。香港のデモ参加者を「抗議者」か、それとも「暴徒」と表現すべきかを双方が争った。

ウィキペディアでは、利用者へのアクセスや編集権限を持つ管理者になる希望者を対象に、選出活動が行われている。過去には、中国版ウィキペディアの利用者が、中国本土の管理者の当選を確実にするために、ウィキペディアの外で票集めをし、不正を働いたと報じられた。

ウィキメディア財団のマギー・デニス副会長は14日、声明を発表した。声明は「外部勢力がウィキペディアのシステムに浸透して、個人を特定できる情報にアクセスし、管理者などの選出に影響力を行使しているというセキュリティリスクを認識している」と示した。

声明は「一部の利用者は権限を得るために、意図的にコミュニティを抱き込もうとした。しかし、彼らの最終目的は、ウィキメディア財団の『オープン・ナレッジ』の理念に反する。われわれは、信用されている利用者の一部が外部グループに脅迫され、利用されていることを把握した」とした。

同財団は「前例のない」措置として、中国語版ウィキペディアの利用者7人に対して同サイトと他の関連サイトへのアクセスを永久に禁じ、管理者12人の権限をはく奪した。

デニス氏によると、同財団は今後、公平に管理者を選出するための公開会合を行う予定。

(翻訳編集・張哲)

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