ブリンケン米国務長官は13日、アフガニスタンからの駐留米軍撤収について下院外交委員会の公聴会で証言を行った。(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

米国務長官、アフガン撤収の正当性主張 共和党は厳しく批判=下院公聴会

[ワシントン 13日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は13日、アフガニスタンからの駐留米軍撤収について下院外交委員会の公聴会で証言を行った。ブリンケン氏は撤収の正当性を主張したものの、特に共和党から厳しい批判が相次ぎ、共和党議員の少なくとも1人がブリンケン氏に対し引責辞任を迫った。

ブリンケン長官は、駐留米軍撤収についてイスラム主義組織タリバンと交渉したのはトランプ前政権だったと繰り返し主張。今年1月に発足したバイデン政権は、タリバンが米国人の殺害を再開すると脅したため、撤収について再交渉することは検討しなかったと説明した。

その上で「米軍がより長期にわたり駐留していれば、アフガニスタンの治安部隊や政府がより力強く、自立的になっていたことを示す証拠はない」と指摘。トランプ前政権が5月1日までの完全撤収に合意していたことに触れ、「われわれは撤収期限を(前政権から)引き継いだ。ただし、引き継ぐべき撤収計画はなかった」と述べた。

米軍撤収を受けアフガニスタンで混乱が広がったことで責任のなすり合いが見られる中、共和党が厳しく批判。下院外交委の共和党トップ、マイケル・マコール議員は「米国民は敗北を嫌う。特にテロリストに対する敗北を嫌う。しかしまさにこうしたことが現実となった」とし、「中国が勢力を拡大させる中、これは国家安全保障に対する脅威だ」と述べた。

民主党議員は、撤収は必要なものだったと支持を示しながらも、アフガニスタンにまだ残っている米国人のほか、リスクにさらされているアフガニスタン人に対する懸念を表明。下院外交委員長を務める民主党のグレゴリー・ミークス議員は 「20年にわたる戦争からの円滑な撤収がまさにどのようなものなのか、説明を聞きたい」と述べた。

ブリンケン長官は、退避活動は外交官や軍人らによる「英雄的な」取り組みだったとし、米政府はタリバンではなく非政府組織を通してアフガニスタンに対する人道支援を継続すると表明した。

ブリンケン長官によると、退避を望みながらアフガニスタン国内になお留まっている米国人の数は先週末時点で約100人だった。

ブリンケン氏は14日に上院外交委員会の公聴会で証言する。

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