秦剛氏(2013年撮影)

中国新駐米大使、米当局者に「意見の違いを解決できなければ黙れ」=米メディア

中国の新駐米大使、秦剛氏が8月31日に開催された米中関係全国委員会(NCUSCR)主催のオンライン会議で、米高官らに対して「意見の違いを解決できないのであれば、黙っていてほしい」と外交上、失礼にあたる発言をした。米保守系雑誌「ナショナルレビュー」が10日に報じた。

崔天凱駐米大使の後任に起用された秦剛氏は7月に米国へ赴任した。同氏の着任を歓迎するためにNCUSCR理事会は会合を開いた。

会合後に行われた質疑応答で、オバマ前政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務めたエバン・メデイロス氏は、「二国間関係を改善するために、米中はそれぞれにどのような措置を講じることができるか」と尋ねた。

秦氏は、「両国の対話の条件を整えるためにも、ワシントンはまず、事態を悪化させるようなことをしてはならない」と答えた後、「我々の意見の違いを解決できないのであれば、黙っていてほしい」と発言した。

報道は同会合に詳しい関係者の話を引用して、秦氏が米政府当局者に「黙るよう」求めた際の口調は非常に失礼だったとし、「参加者たちは衝撃を受けた」と伝えた。

この出来事から秦氏は今後「駐米大使」として、強硬路線をとることを示唆していると報道は指摘した。

秦氏は中国の「戦狼外交」の代表的な人物として知られている。

秦氏はこの発言から1週間後、別の米ビジネス界のイベントでのスピーチでも「中国は常に『偉光正(偉大で栄光あり常に正しい)』であり、間違っているのは全部米国」との主張を繰り返した。

シンガポール・ナンヤン工科大学のラジャラトナム国際研究大学院で国際問題を研究する李明江(Li Mingjiang)准教授はロイター通信に対し、秦氏は米国の政界や経済界で、人脈を築くための時間が必要だとし、「米国で、同氏は(前大使の)崔天凱氏よりも強硬な姿勢を見せるかもしれない」と推測した。

「しかし、米中関係は現在、国内の圧力や戦略的競争などの構造的要因に大きく制約されているため、一大使が両国関係に影響を与えるためにできる事は限られている」と李氏は付け加えた。

(翻訳編集・李凌)

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