フェイスブック共同開発のスマートグラス 専門家がプライバシーの問題を懸念
ソーシャルメディア大手フェイスブックと、サングラスの老舗レイバンは10日、写真や動画の撮影、音楽、通話などの多機能を備えた「スマートグラス」を発表した。製品は、プライバシーに考慮した設計と銘打っているが、専門家は疑問を呈している。
リリースによると、レイバン製品の製造を手がけるエシロール・ルックスオティカ社と共同で開発された多機能サングラス「レイバン・ストーリーズ」は、付属のアプリを使えばフェイスブックのサービスを利用できる。北米や欧州での販売に限定され、日本は未定。
フェイスブック経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏はスマートグラスの発表と同時に、自身が出演する製品紹介映像を公開した。「利用者を含め周囲の人々にとって安心して利用できるようにするとの大きな責任がある。製品にはあらかじめ個人情報保護の機能を組み込んでいる」。
このスマートグラスには、フレームに小型カメラが2つ取り付けられ、マイクやスピーカーが内蔵されている。通話や音楽の再生も可能で、撮影した写真や動画は、「フェイスブック・ビュー」のアプリと連携してSNSにアップロードすることもできるという。
ザッカーバーグ氏は、プライバシー侵害やストーカー行為への懸念に配慮し、写真や動画を撮影している際には、LEDライトが点灯し、撮影していることを周囲に知らせる仕組みになっていると説明した。しかし、白色光のライトは晴れた日中は点滅していても気付きにくいと指摘される。また、音声操作で写真や動画を撮影できるため、ハンズフリー操作が可能だ。
フェイスブックは、製品のデザインに関して、プライバシー保護団体や全米消費者連盟に意見を求めたと強調。これに対し、全米消費者連盟のジョン・ブレヨート副会長は、撮影中を示すライトが覆われたときにカメラを自動的にオフにする機能や、通常のレイバンのサングラスと区別できるようなデザインに変更することを推奨してきたが、採用されなかったと述べた。
これまで個人情報の不正流出などで批判を受けてきたザッカーバーグ氏は、スマートグラスの顧客が使用するメディアに本人の同意なしにアクセスすることはないと述べた。また、スマートグラスで撮影され、フェイスブック・ビューアプリに保存された写真や動画を追跡型広告に使用することはないとしている。
(大紀元日本語編集部)