西アフリカのギニアで9月5日朝、首都コナクリにある大統領官邸付近で銃撃が発生し、数時間後に同国軍の特殊部隊がコンデ大統領を拘束した。同部隊の幹部は大統領を解任し、政府を解散、憲法を停止したと宣言した。写真は同日、コナクリで撮影した装甲車(2021年 ロイター/Saliou Samb)

西アフリカのギニア、軍の特殊部隊が大統領拘束 憲法停止を宣言

[コナクリ 5日 ロイター] – 西アフリカのギニアで5日朝、首都コナクリにある大統領官邸付近で銃撃が発生し、数時間後に同国軍の特殊部隊がコンデ大統領を拘束した。同部隊の幹部は大統領を解任し、政府を解散、憲法を停止したと宣言した。陸と空の国境も閉鎖したという。

特殊部隊を率いる元フランス外国人部隊兵士のママディー・ドゥムブヤ氏は国営テレビで「貧困と腐敗のまん延」がコンデ氏解任の原動力になったと表明。「われわれは政府と各機関を解散した」とし、「われわれは協力して憲法を改正する」と述べた。

銃撃の数時間後にソーシャルメディアに投稿された動画では、コンデ氏が室内で軍の特殊部隊に囲まれている姿が映されている。ロイターは動画が本物かどうかを確認できていない。

軍関係筋によると、特殊部隊はコンデ氏以外にも政府高官を含む複数人を拘束した。

コンデ氏を拘束した特殊部隊の兵士組織は、コンデ氏に危害は加えておらず、健康を保証しているとの立場を示した。また、軍司令官らが地方政府の首長の座を掌握したと表明した。

声明で、解任された閣僚や各機関のトップを議会で6日午前に開かれる会議に招待したとし、特殊部隊の兵士組織を「国家集結・発展委員会(CNRD)」と自称して「会議への出席を怠ればCNRDへの反逆と見なす」と強調した。

コンデ氏は2期を経て、再出馬が可能になるよう改憲し、昨年10月の選挙で3選。野党は激しい抗議を繰り広げた。

政府はここ数週間に大幅増税や燃料費の引き上げを決めており、市民の間に不満が広がっていた。

5日夜時点で、ドゥムブヤ氏が全権を掌握したかどうかは不明。国防省は大統領官邸への攻撃は撃退したと発表している。

米国務省は「ギニアの軍による実権掌握について」と始まる声明で、「米国はコナクリで今日起きた出来事を非難する」と表明。暴力や憲法を超越するいかなる措置もギニアの平和、安定、繁栄への見通しを悪化させるだけだとし、「ギニアが国家の結束やギニア国民にとって輝かしい将来への道筋を探るのにあたり、これらの行動は米国やギニアの他の国際パートナーが同国を支援する余地を狭める可能性がある」と警告した。

グテレス国連事務総長は「武力によるいかなる政府転覆」も強く非難すると表明し、コンデ氏の即座の解放を求めた。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のトップは、クーデターだと批判。アフリカ連合(AU)は緊急会合を開いて「適切な措置」を講じる考えを明らかにした。

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