米国ケンタッキー州の競走馬が、レースに出かける前に騎手のミゲル・メナ氏を置いて、道路を疾走したため、トラック関係者と警察が後ろから車で追いかけるという珍しい出来事が起きた。
AP通信によると、話題となっているのは2歳の牝馬で、8月21日のレース前にエリス公園(Ellis Park)で騎手を置いて、公園のゲートを出て土手道を渡り、米国41号線に入り、インターステート69号線とベテランズ共同墓地沿い(Veterans Memorial Parkway)まで小走りしたという。
道中、馬が道を疾走するのにつれて、その後ろには騎手の集団が走り、警察も出動していた。
車内から撮影された短い動画には、馬に鞍をつけたまま、視力を制限する目隠し(レース中に馬が他のことに影響されないようにするための物)をして、US41号線を走っている様子が映っていた。
一連の追いかけっこに参加した調教師のジャック・ハンコック氏(Jack Hancock)によると、馬は目隠しをしていて左右が見えなかったため、止めるのが難しくなったとのことだ。
「私はずっとここに住んでいますが、こんな風に走る馬は見たことがありません。(他の馬は)こんなに遠くまで走らないし、道路を走ることもありませんから」と同氏は述べた。
馬主兼調教師のマイケル・アン・ユーイング氏(Michael Ann Ewing)によると、たまたま居合わせた1組の夫婦に囲まれてようやく止められたそうだ。「 馬を追いかけてくれた皆さんに感謝しています」と感謝の意を表した。
ユーイング氏によると、馬は脱水症状を起こしており、逃走中に2つの蹄鉄が落ち、片方の後足が蹴られて前足のかかとが傷ついていた以外、身体的には無傷だったという。
「通常、競馬場から逃げ出した競走馬は、厩舎などの慣れ親しんだ場所に戻るものだが、この馬は他の町から来たもので、この町で競馬に参加するのは初めてだったため、 彼女は家に帰る方法を知らなかった」とハンコック氏は見解を示した。
(翻訳 田中広輝)
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