ソ連から離脱した30周年記念でお祝いするリトアニア国民たち。2020年3月11日撮影。(Photo by PETRAS MALUKAS/AFP via Getty Images)

中国、台湾接近のリトアニアに通知なしの経済制裁、台湾「圧力に断固反対」

中国共産党政権は、台湾の代表機関の設置を認めたリトアニアに対し、経済的な圧力をかけていることがわかった。リトアニアと外交関係を強化している台湾は、中国の高圧的な行為に断固として反対する姿勢を表明した。

リトアニア国家食品獣医サービス局のマンタス・スタケヴィシウス局長は22日、バルティック・タイムズ紙に対し、中国側は一方的に、理由を説明することなく、リトアニア産食品や農産物などに対して輸入規制をかけたと語った。同氏によると、現在中国との輸入手続きに関する協議が停止している。

台湾の外務省は24日の声明で、貿易取引を報復の政治的手段として利用するいかなる試みにも反対するとし、リトアニアとの間でより強固なサプライチェーンを確立すると述べた。

また同外務省は、リトアニアは「自由、民主主義、人権と法の支配の尊重という共通の価値観を持つ友好国だ」と強調し、リトアニアを含む他の民主主義国家との連携を強化し、「独裁政権による高圧的な行為」に抵抗していくと付け加えた。

中国共産党の機関紙「環球時報」は同日、中国はリトアニアに農産物の輸出や原材料の輸入規制を課す可能性があると警告し、リトアニアは「代償を払わなければならない」と述べた。

また、台湾の地元メディアは19日、中国国家鉄道集団傘下の「中鉄コンテナ運輸」が今月末から9月上旬にかけて、中国とリトアニアを結ぶ直行貨物列車の運行を停止すると報じている。リトアニア国鉄は、顧客から情報を得たとし、中国からは何の通知も受け取っていないと指摘。中鉄コンテナ運輸は、この主張を否定している。

ブリンケン米国務長官は21日、リトアニアのランズベルギス外相との電話会談で、中国から圧力を受けているバルト3国に対する「強力」な支援を約束した。

テッド・クルーズ米上院議員は、リトアニアの台湾への支援をめぐり、北京から「長期にわたる、猛烈で深刻な報復」を受ける可能性があると示唆し、米国の支援を強調した。

 

(翻訳編集・蓮夏)

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