海上自衛隊の護衛艦「いずも」 (Photo credit should read TORU YAMANAKA/AFP via Getty Images)

日米豪印「クアッド」政府高官会議 今秋の首脳会談に向けて調整

戦略枠組み「QUAD(クアッド)」の構成国である日米豪印は12日、政府高官によるビデオ会議を開催した。インド太平洋地域の自由と開放性を推進し、台湾問題など中国共産党政権による課題に共同で対処することが議論された。

米国務省報道官は声明の中で、今回の4カ国会合は、今年3月12日に行われた第1回クアッド首脳会談の歴史的な議論を集約し、フォローアップすることが目的であると記した。

声明によると、4カ国の高官は、ニセ情報への対処や民主主義と人権の促進、国連と関連組織を含む国際機関の機能の強化ほか、「強制的な行動の影響を受けやすいインド太平洋地域の国々への支援」などについて議論を交わした。特定国を名指しすることはなかったものの、中国共産党政権がフェイクニュースの拡散や人権弾圧、周辺諸国への高圧的な外交政策を行ってきたことは周知の通りである。

高官らはまた、台湾海峡の平和と安全、そして現在進行中のミャンマー危機についても議論した。加えて、ASEANのインド太平洋における発展と4カ国による強力な支援を再確認した。

インド政府の声明によれば、4カ国は共通の関心事項として「リスクに強いサプライチェーン、新技術、海洋安全保障、サイバーセキュリティ、テロ対策、インフラとコネクティビティ、高等教育、気候変動、人道支援と災害救援など」をあげ、協力の可能性を模索したという。 

さらに、「国際法に基づく、自由で開かれた、繁栄した、包括的なインド太平洋地域へのコミットメント」を再確認したとある。

4カ国は今後も閣僚、高官、実務者レベルでの定期的な協議を継続し、今秋には第2回クアッド首脳会議を開催することが、米国務省の声明に記されている。これまでの報道によると、4カ国は、今年9月にニューヨークで開催される国連総会の一般討論会の後に、首脳同士の直接会談を行うことを計画している。

台湾の外務省報道官は13日、クアッド高官会議で台湾海峡の平和と安定への重要性に言及したことに謝意を表明した。さらに、台湾はインド太平洋地域の安定と繁栄において鍵となるだけでなく、民主主義国家が専制政治に対抗する最前線だと述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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