2020年3月18日米ニューヨーク証券取引所(AFP/Getty Images)

米SEC、中国企業のIPO手続き停止 米中金融デカップリングに拍車

米証券取引委員会(SEC)は7月30日、中国当局による民間企業への規制強化のリスクを投資家に開示する新たなガイダンスが作成されるまで、中国企業の米市場での新規株式公開(IPO)や有価証券の売却に関する登録手続きを停止すると発表した。専門家は、SECの方針で、米中間の「金融デカップリング(切り離し)」に拍車がかかったと指摘した。

背景には、7月初め、中国当局が米市場に上場した配車アプリ、滴滴出行に対して取り締まりを強化し始めたことがある。滴滴出行は6月30日に米市場でIPOを果たしたばかりだ。中国当局は、米国にデータが流出する恐れがあるとして、ネットワークの安全性を審査するという理由で、「滴滴出行の関連アプリをアプリストアから削除すると発表した。これを受けて、米市場では中国株の売り注文が集中した。

また、中国の若い女性に人気のあるSNS「小紅書(RED)」や、音声プラットフォームアプリ「喜馬拉雅(Himalaya)」などは次々と米市場への上場計画を延期したと報じられた。

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