スイスのジュネーブにある世界保健機関(WHO)本部(Photo by Sean Gallup/Getty Images)

米上院委員会、台湾のWHO総会参加をサポートする法案可決

米上院外交委員会は7月28日、世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である世界保健総会(WHA)に、台湾オブザーバー参加権を取り戻すために協力する戦略を打ち出すよう、国務省に求める法案を全会一致で可決させた。

上院外交委員会の委員長で同法案を率いたロバート・メネンデス(Robert Menendez)議員は、「中国が台湾を孤立させ、国際的な組織や機関へのいかなる形の参加も妨げようとする試みは、国際的に経済的・政治的な安全保障を脅かすものだ」と声明の中で述べた。

議場では、同氏は中国の妨害行為は「視野が狭い」と批判した。法案可決について「台湾の国際社会への参加を守るために、米国のあらゆる関与の一環だ」とした。

上院軍事委員会の共和党委員長であるジェームズ・インホフ(James M. Inhofe)議員は、「中国(共産党)が台湾を排除し続けていることは容認できない」とした上で、「台湾は医療技術や人道支援で世界をリードしているのに、中国は台湾の世界保健機関への参加を全力で妨害している」と非難した。

下院では、2月に民主党のブラッド・シャーマン (Brad Sherman)下院議員と共和党のヨン・キム(Young Kim)下院議員が同様の法案を提出し、3月に下院外交委員会で可決された。同法案は、上下両院議会での投票を経て、可決されてからホワイトハウスに送られ、大統領が署名して成立する見通し。

台湾は2009年から、WHA参加を支持するWHO加盟国の努力により「チャイニーズ・タイペイ」の名でオブザーバー参加していた。しかし、民進党の蔡英文政権が2016年に誕生すると、中国共産党政権によるWHOおよび国際的な影響工作が強まり、台湾は2017~20年まで総会に出席できていない。

第74回世界保健総会が5月24日~6月1日までオンラインで開催されていた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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