医学生のお手柄「機内で倒れた乗客に緊急処置」

6月末のことです。

米国から地中海ギリシャへ向かう飛行機のなかで、急病人が出ました。一人の女性の乗客が、急激な低血糖と体温の上昇によって意識を失い、倒れてしまったのです。

その旅客機には、偶然二人の医学生が乗客として搭乗していました。その名誉ある二人の名前は、ヘザー・ディプリシとローレン・バグネリス。ルイジアナ州立大学ニューオーリンズ校の医学部の学生です。二人は、地中海諸国を訪れる旅行の途中でした。

二人ともまだ「女医の卵」でしたが、機内で発生した緊急事態に対応するため、自身が医学生であることを告げ、勇気と使命感をもって助けを申し出ました。

正式な医師資格をもたないため、医療行為はできませんでしたが、医学部で学んだ知識と緊急対応訓練の経験を用いて、二人は全力を尽くしました。

地上の医師から電話を通じて指導を受けながら、血圧や脈拍、血糖値を測定し、冷静沈着にその使命を果たしていきます。

しばらくすると、一時的に気を失っていた乗客の意識が戻りました。

ヘザーとローレンは、彼女に優しく語りかけて、気持ちを落ち着かせます。それから、彼女が少しずつジュースや食べ物を口にできるように、彼女の周囲の人々に呼びかけて、静かな環境を作るよう協力を求めました。

二人の医学生の介護を受けた後、機内で倒れた女性客は、すっかり回復して気分も良くなりました。

今回の二人の行為は、その将来の職業的使命からすれば当然のことではありますが、的確に行動したことで最も理想的な結果を得たことは、大いに称賛されました。

二人が在籍する大学のソーシャルメディアに、このことが掲載されると、「私たちはヘザーとローレンを誇りに思う」「これはルイジアナ州立大学の教育が素晴らしいことを証明するものだ」という称賛コメントが、多数寄せられました。

(翻訳編集 鳥飼聡)