酷暑の夏、体の熱を下げる「漢方の飲み物」
いよいよ来ました猛暑の夏。
ついぐったりして、ダウンしがちな季節ですが、なんとか体力を維持して、元気に乗り切りたいですね。今日ご紹介するのは、そんな夏季に有効な「漢方の飲み物」です。
緑豆(りょくず)と紅豆(あずき、小豆)は、日本でもよく見かけますが、その豆を煮たお湯(スープ)を飲むことで、健康に役立てようというものです。
夏の暑い時期、体内にこもる「火気」を下げるには、緑豆か、紅豆か、どちらの豆スープを飲むのがいいでしょう。
台北市立聯合病院仁愛院区の漢方医・周宗翰氏は「漢方医学から見ると、体内の火の気は、外火と内火に分けられます」と話します。周氏によると、「外火」は、口臭や口腔内の炎症、顔のにきび、便秘など各種の炎症を引き起こすとのこと。「もしこれらの症状が出たら、緑豆スープを飲むのが良い」と周氏は言います。
一方、内火は「心火」とも呼ばれ、多くの場合、その人の感情に関連しています。
夏の暑さは、なんといっても人の気持ちをイライラさせます。その上、臓腑の機能に失調をきたし、不眠、多夢、反応が鈍くなる、疲労、水腫などの各種症状を引き起こすのです。
このような時は、まずは内火を落ち着かせるため、小豆スープを飲んで精神を安らかにするようにしましょう。
小豆は、赤い食物です。赤い食物は心臓のカテゴリーに入りますので、小豆は「心を清め、血を養う効果がある」とされます。
また夏は、心(しん)を養う絶好の季節でもあります。心は、人の精神を含むとともに、心臓そのものも指します。漢方医師である朱雅莉氏によると、夏に小豆など赤い食物を食べて心を養うことで、気分を穏やかにし、活力を与えるだけでなく、心臓をより強くし、心血管疾患の発症を防ぐこともできると言います。
暑い夏はこれからが本番です。日本では「エアコンを適切に使うこと」が推奨される昨今ですが、冷房が効きすぎて体調を狂わす可能性もあります。
そんな時は、体に優しい日本の昔ながらの知恵とともに、漢方医学の理論に基づく食事法や体調管理の方法も、ぜひお試しください。
日本の皆様が、この夏をお元気に過ごされますよう、台湾より祈念しております。
(文・穆簡/翻訳編集・鳥飼聡)