米ニューヨーク証券取引所(Spencer Platt/Getty Images)

中国企業に逆風、当局が海外上場規制を強化 株価指数から除外

中国当局がこのほど、中国企業の海外市場での上場を規制する方針を示した。海外上場を計画する企業は必ず、中国規制当局の審査を受けなければならない。いっぽう、米バイデン政権の中国軍とつながる中国企業への投資を禁止する措置により、英米の株価指数算出企業は、中国数十社を指数から除外するとわかった。

ロイター通信8日付は、情報筋の話として、中国証券監督管理委員会は、中国企業の海外上場計画を審査する専門部署を立ち上げることを決めたと報じた。中国当局は、企業の海外進出をめぐる「主導権」を完全に掌握する狙いだという。

また、同報道によれば、当局の監視強化で中国医療データ事業を展開する零氪科技は、米株式市場での新規株式公開(IPO)計画を停止した。同社は6月、米国でのIPOを申請した。

中国当局は過去1週間、6月に米上場したばかりの配車アプリ大手、滴滴出行について、個人情報の収集や使用に重大な違法行為があるとしてやり玉に挙げた。

6日、国務院(内閣に相当)は、企業の外国株式市場への上場や、国境を超えるデータの移動や機密情報の管理などに関する規制を強化すると発表した。

中国企業は今まで、変動持分事業体(Variable Interest Entities、VIE)という方法で米市場に上場を果たした。ネット大手のアリババ集団や百度などは、中国当局の司法管轄と時間の掛かりすぎる審査手続きを避けるために、カリブ海のケイマン諸島やヴァージン諸島で法人登録して、米市場に上場した。

情報筋はロイター通信に対して、中国証券監督管理委員会は、企業がどこで法人登録をしたかについて問題にしなかったと述べた。新方針の下で今後、法人登録地についても審査が入るという。

いっぽう、株価指数や金融市場指数などを提供する米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスと英国のFTSEラッセルは、今後数日内に、株価指数から中国企業を追加で除外する方針を明らかにした。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは中国企業25社を、FTSEラッセルは20社を除却するという。米バイデン大統領が6月3日に署名した大統領令に協力するためだという。

同大統領令は、中国軍とつながっているとみられる中国企業59社について、米国民や企業がその株式を売買することを禁じている。また、すでにこれらの企業に投資を行った米国民や企業に対して、今後1年以内に投資を中止するよう定めた。大統領令は8月2日に発効する。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとFTSEラッセルはすでに、米政府の投資禁止措置を基に、中国監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)や半導体大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)などを株価指数から除外した。

(翻訳編集・張哲)

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