中国高官亡命の噂、米当局者が否定=報道
米ニュースサイト「SpyTalk」23日付によると、米当局者は、中国の情報機関である国家安全部(省)の董経緯副部長(次官級)が米国に亡命したとの報道に関して、「正確ではない」との認識を示した。
SpyTalkは、当局者はこの敏感な話題に関して匿名を希望したと報じた。
同ニュースサイトは、董氏が2月に香港経由で娘とともに米国に亡命したとの情報をめぐって、先週国務省にコメントを求めていた。しかし、国務省から返答はなかった。
この匿名の米当局者は22日、董経緯氏をめぐる報道は事実ではないとした。しかし、「これ以上詳しく説明するのを拒否した」という。同時に、当局者は董氏が今も中国国内にいると示唆した。
SpyTalkは当局者に「バイデン政権が、中国高官が米国に亡命したという噂をわざわざ否定する理由は何か」と尋ねた。当局者は「これはより政策的な問題である」と述べ、ホワイトハウスの報道官に質問するようにと返答した。
SpyTalkによると、国家安全保障会議(NSC)の報道官からコメントを得られなかった。
国防総省や中央情報局(CIA)などで勤務した中国問題専門家、ニコラス・エフティミアデス(Nicholas Efimiades)氏は、当局者の発言について、董氏をめぐって、バイデン政権の上層部は対応を調整した可能性が高いとの見解を示した。
米中関係に詳しい他の専門家は、バイデン政権が高い機密性を有するこの問題について態度を示した動機は2つあるとした。1つ目は、米中関係が悪化している中で、さらなる悪化を招く不必要な要因を取り除くことだ。
2つ目は、パンデミックの責任をトランプ氏から中国の武漢ウイルス研究所、ひいては米国立感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長に転嫁しようとする共和党の主張を打ち消すことだ。
民主党政権は、トランプ前大統領が米国で中共ウイルス(新型コロナウイルス)を流行させた責任を取るべきだと主張している。
もう一人の専門家も同様な見方を示した。バイデン政権は、「実験室漏えいの情報などを持つ反逆者を匿った」という共和党側の非難を回避したい思惑があると指摘。
(翻訳編集・張哲)