新生児。イメージ写真(China Photos/Getty Images)

中国、2025年までに産児制限の全廃検討=報道

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は18日、情報筋の話を引用して、中国の上層部が2025年までに産児制限の政策を完全に廃止する可能性について議論していると報じた。出生率が最も低い東北地方から始まり、その後徐々に全国的に広める計画だという。

経済成長の鈍化や中国人口の少子高齢化が進むにつれ、中国政府の危機感が高まっているのを反映した。

10年に一度の国勢調査では、中国の人口増加速度が過去数十年で最も遅いことがわかった。

特に東北部の省は、全国でも出生率の低さが際立っている。最新の国勢調査では過去10年間、東北3省(遼寧省・吉林省・黒竜江省)の人口は1.2%減少した。

差し迫った中国の人口減少に歯止めをかけるには、積極的な行動が必要だと人口学者や経済学者が指摘している。

英医学雑誌「ランセット(The Lancet)」が昨年発表した予測によると、今世紀末までに、中国の人口は現在の14.1億人から約7.3億人に減少するとしている。

中国の人口動向は、1979年に導入された人口抑制政策である「一人っ子政策」に大きく左右されてきた。これに違反すれば、罰金から失職などで処罰された。人工中絶が強制的に行われる場合もあった。

増加する高齢者を支える労働年齢人口が不足するなど、その弊害はすでに現れ始めている。それは今後数十年間にわたり、中国経済の足かせになると同記事はみている。

しかし、中国政府は産児制限を完全に廃止するのを望まなかった。

「中国指導者は政策を完全に解除すれば、地方の人は都市部の人より出産に積極的になる。それによって一部の地域の経済問題が悪化することを懸念している」とWSJはこの問題に詳しい人物の話を引用した。

中国では2013年以降、夫婦双方又は、片方が一人っ子の場合、2人目が許された。

そして2016年からは夫婦1組につき2人まで子供を持つことを認め、「一人っ子政策」を廃止した。直後2年間は出生率が上昇したものの、持続的な出生数の増加にはつながっていない。

さらに今年5月から産児制限はより緩和され、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを許した。

都市部の子育てには費用がかさむため、多くの中国人カップルは子供を持つことをためらっている。

これら政策がもたらす影響について懐疑的な専門家もいる。

北京大学人口研究所教授の穆光宗氏は、「中国政府は自主生育が基本的な人権であることを認めなければならない。家族計画政策の下で何人の子供が認められようとも、中国人の自主的生育の権利の問題は解決されていない」と指摘した。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。
6月16日未明、ファン・ビンビンが19歳年下の弟・範丞丞(ファン・チェンチェン)の誕生日を祝いました。21歳の範丞丞は成人となりましたが、範氷氷は彼を「坊や」と呼んでいました。