エチオピアには何十軒もの岩を掘ってできた教会があり、中には2580メートルもの高さの絶壁に掘られた教会があります。そこを訪れるには必ず絶壁を登らなければならず、世界一危険な教会として知られています。しかし、危険にもかかわらず、教会ができてから、絶えず信者が危険を恐れずにこの教会までよじ登り、信仰の心を見せています。
Abuna Yemata Guhと呼ばれるこの教会はエチオピアのティグレ地方に位置しており、5世紀までさかのぼることができ、牧師・Abuna Yemataがこの絶壁を掘って作った教会であり、記念するためにAbuna Yemataの名がつけられました。
Yemataがなぜこのような場所に教会を掘ったのかは誰にもわかりません。天国に近い場所だからという説もあれば、敵による進入を防ぐためだという説もあります。
いずれにせよ、この教会にたどり着くには、肉体だけでなく、精神の試練をも乗り越えなければならないのです。青年でも、スポーツマンでも、老若男女問わず、この「命がけ」の登山を経験してこそ教会にたどり着くことができるのです。
教会まで45分ほどかかり、岩壁が非常に滑々しているため、裸足と素手でよじ登るしかありません。まず、いくつもの狭い崖を通り、そして、高さ300メートルもある垂直の岩壁をよじ登り、それから、76メートル(250尺)の高さの自然でできた石橋を渡り、最後には、垂直の岩壁に出来た細い道に沿って7メートル歩かなければなりません。少しでも気をそらすと、谷の底へと垂直に落下してしまいます。
教会内にはイエスの十二使徒をテーマにした壁画が描かれており、15世紀に遡ることができます。教会内の空気が乾燥しており、訪れる観光客も少ないため、例え600年経てても、壁画は依然ときれいに、色鮮やかに残されています。
Abuna Yemata Guhには20人の聖職者を設けており、牧師・Gebre Rufael Asressehaを筆頭に教会を管理しています。彼はここに半世紀ほど住んでおり、毎日教会まで登り、主な仕事内容は観光客を迎え入れ、彼らのために宗教儀式を行うことです。
Asressehaが「グレート・ビッグ・ストーリー」社に語ったところによると、この教会にたどり着いた人々は必ず祈りを捧げ、敬意を表します。なぜなら、Abuna Yemata Guhは神の力を以って絶壁に作られた教会なのです。
翻訳者 天野秀
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