【全訳】天安門事件は「大虐殺」 ブリンケン米国務長官が声明
ブリンケン米国務長官は現地時間6月3日、中国共産党政権が民主化運動を武力弾圧した「六四天安門事件」から32年経つのに合わせて、声明を発表した。このなかで、長官は同事件を「大虐殺」と表現した。
「天安門事件32周年に際して」と題する声明文のなかで、ブリンケン長官は中国共産党政権の残虐行為を非難した。そして、天安門事件の真相を解明することをやめてはならないと呼びかけた。
バイデン政権が天安門事件について声明を出すのは今回が初めて。米国の歴代政権は同様に、この事件による市民の武力弾圧を非難している。
さらに、米国は今後も人権を追い求める中国の人々の味方であると述べた。
【全訳】
天安門事件32周年記に際して
明日は天安門広場での大虐殺の32周年にあたる。1989年、天安門の近くにあるこの広場の名前は、政府に進言を行い人権と基本的な自由を求める一万人以上の民衆を鎮圧した、中華人民共和国政府による残虐行為と同義となった。
民衆は、高尚だがシンプルな要求をした。「世界人権宣言で掲げられた人権を認め、尊重せよ」というものだ。この要求に対し、中華人民共和国の権力者たちは討論の場を設けないどころか、暴力で対処した。6月4日に天安門広場で肩を並べた民衆の勇気は、その日の出来事の透明性を求めることを決してやめてはならないと私たちに気づかせてくれた。天安門での抗議活動は、香港における民主主義と自由を求める闘いでも共鳴していたが、天安門広場の虐殺を記念する式典は地元当局によって禁止された。
人々は人権の尊重を求めただけなのに中国政府は暴力で応じた。6月4日に肩を並べて立ち向かった人々は勇敢だった。だからこそ、われわれは犠牲になった人や拘束された人、行方不明になった人たちのことを含め、あの日に何が起きたのか完全に明らかにするよう求めることを、決してやめてはならない。
米国は、中国の人々が中国政府に普遍的な人権の尊重を求めるのを支え続ける。32年前に殺害された人たちと、今も中国政府の抑圧に対抗し続ける勇敢な活動家たちに敬意を表す。
(翻訳・王文亮)