米テスラ、中国国内にデータセンター設置 やり玉に挙げられた後も
最近、中国当局からのバッシングを受けている米電気自動車大手のテスラは25日、中国国内でデータセンターを設置したと発表した。同センターでは、中国で販売された車両の車載カメラやセンサーなどから収集したデータの保存や管理を行う。
テスラは25日夜、中国版ツイッター、微博(ウェイボー)で明らかにした。
この発表を受けて、一部のネットユーザーは「これが、最近のテスラに対するバッシングの真の目的だ!」「殴る蹴るの効果があったような気がする」などとコメントした。
中国国内では最近、テスラの車両を巡る苦情やボイコットなど、ネガティブなニュースが後を絶たない。
4月19日、上海モーターショーのテスラの展示ブースで、一人の女性が抗議騒動を起した。その後、新華社通信や中央テレビ(CCTV)など中国政府系メディアが次々とテスラに対して批判を展開し、車両の品質、販売慣行、サービス姿勢を糾弾し、さらにテスラが「傲慢だ」と論じた。
いっぽう、同時期に中国各地でテスラに対するボイコット運動が起きている。
3月22日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、関係者の話として、中国当局はテスラの車両が重要なデータを収集し、情報漏えいの可能性があるとして、軍施設の関係者や主要国有企業の従業員に対し、テスラ車両の使用を制限していると報じた。
また、ロイター通信21日付によると、北京と上海の一部政府機関の幹部職員は、テスラの車両を職場の敷地内に駐車しないよう指示を受けた。
米シンクタンク、ハドソン研究所の研究員を務める余茂春(Miles Yu)氏は26日、中国側のテスラへのバッシングは「当局がコントロールする反米世論を通して米企業に圧力をかける狙いがある」と米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に語った。余氏は、ポンペオ前米国務長官の中国政策首席顧問だった。
余氏は、テスラは中国共産党の常套手段である「おとり商法(bait and switch)」に騙されたと指摘した。
「まず税制上の優遇措置などを使って、外国企業を中国に誘致する。外国企業がその罠にかかり中国で一定の成功を収めた後、中国当局は、外国企業の中国国内で行った投資を切り札にして、直接、あるいは少しずつ当局の要求に従わせていく」
余氏は、「中国当局はテスラの独自の技術、(宇宙事業スペースXを含む)米政府との提携について情報提供を狙っている。また、テスラに対して中国からの対外送金を禁止し、中国市場シェアを制限する意図もある」とした。
(大紀元日本ウェブ編集部)