(avlxyz/Creative Commons)
≪医山夜話≫ (57)

魚スープ

「大工の家の腰掛けは3本足、裁縫の家の子供は尻丸出し、医者の家の病人は誰も治さない」という諺があります。

 小さい時から我が家では、病人は魚のスープを飲む特権がありました。私の故郷は中国江南の水郷にあり、川魚で作ったスープは美味しいご馳走です。子供が多いため、旧正月などの特別な時以外、めったに魚スープを口にすることはありませんでした。ですから、病気にかかった時に飲める魚スープは、私にとって大きな誘惑でした。

 私は末っ子ですが、2歳年上の兄は私より祖母の愛情をたくさん受けていたので、よく魚スープを飲んでいました。兄が苦い漢方薬を飲むふりをして、見た目はとても苦しそうですが、時々満足そうな表情を浮かべるのを見て、私はとても羨ましいと感じました。そこで、「魚スープを飲めるなら、たとえ病気になってもいい」と密かに思っていました。

▶ 続きを読む
関連記事
「いつかやりたい」と思いながら、先延ばしにしていることはありませんか?本を読む、友人に連絡する、旅に出る、運動を始める――人生を変えるのは、大きな決断より「今日やってみる」という小さな一歩かもしれません。今すぐ始める7つの方法とは?
いつもの料理にシナモンや生姜を加えるだけで、腸内環境が変わるかもしれません。最新研究では、これらの身近なスパイスが血糖コントロールに関わる有益な腸内細菌を増やす可能性が判明。手軽にできる腸活のヒントと注意点を紹介します。
たった一つの親切が、相手の一日だけでなく、自分の心や体にも影響するかもしれません。善意がもたらす変化を科学から見ていきます。
手のひらの赤みや白目の黄ばみは、単なる疲れではないかもしれません。沈黙の臓器と呼ばれる肝臓は、意外な場所にサインを出すことがあります。
二百年同じ井戸水で豆腐を作る京都の職人や、一生ものの伝統工芸品。効率よりも誠実さを選び、自らの心を映す「ものづくり」の姿勢から、世界中を惹きつけ信頼される日本固有の「信」の精神を紐解きます