【医学古今】

右殿部痛の鍼灸治療

ある患者(70代男性)さんが、右殿部の痛みで院を訪れました。彼は3カ月前から痛みが出始め、立っている時と歩く時に痛みを感じていましたが、最近、痛みが強くなり、横になっても寝返りの時にも痛みを感じるようになりました。整形外科で写真を撮っても骨に異常はありません。調理師なので立っている時間は長いようです。

 体は比較的丈夫で、臀部の痛み以外に他の健康問題は特にありません。舌質は暗青、舌苔は白くてべたつき、脈は緩滞、下肢に細絡(皮膚表面に浮き上がった細い血管)が多い。これらの情報から「寒湿停滞、経脈瘀阻」による筋肉痛だと判断しました。

 これに対して、患側(かんそく、痛みのある側)の居髎(きょりょう)、環跳(かんちょう)、風市(ふうし)、陽陵泉(ようりょうせん)、飛揚(ひよう)、坵虚(きゅうきょ)などのツボに鍼を刺した上で、居髎と環跳に温灸しました。治療後、痛みがかなり緩和しました。来る時は足を引きずっていましたが、帰りには軽やかな歩調で歩きました。その後、週一回の治療で、3回目の治療後は、夜も昼も痛みが殆ど無くなり、ただ夕方疲れた時に痛みを感じるぐらいになりました。

(漢方医師・甄 立学)

関連記事
現代人に潜む健康リスク「口呼吸」。睡眠や集中力に悪影響を及ぼす可能性があり、改善することで多くの健康効果が得られます。簡単にできる鼻呼吸への切り替え方法もご紹介。
ジーンズ選びのポイントを徹底解説!耐久性、デザイン、生地の組成など、長持ちするジーンズを選ぶためのガイドをお届けします。
タンパク質が高齢者の健康に重要な理由とは?骨や筋肉を守るための摂取方法と、おすすめの食材を解説します。
新しいCOVID-19の変異株「エリス」は、アメリカで主流株となり、感染が広がっていますが、症状は以前のオミクロン株と似ており、公衆衛生へのリスクは低いとされています。また、エリスに加え、新たな変異株BA.2.86も追跡中です。現行のワクチンがエリスやその他の変異株に効果を発揮するかが注目されています。
朝の太陽光で視力を守ろう!専門家が教える、目の健康を維持するための簡単な習慣と効果的なトレーニング方法をご紹介。