【医学古今】

右殿部痛の鍼灸治療

ある患者(70代男性)さんが、右殿部の痛みで鍼灸院を訪れました。彼は3カ月前から痛みが出始め、立っている時と歩く時に痛みを感じていましたが、最近、痛みが強くなり、横になっても寝返りの時にも痛みを感じるようになりました。整形外科で写真を撮っても骨に異常はありません。調理師なので立っている時間は長いようです。

 体は比較的丈夫で、臀部の痛み以外に他の健康問題は特にありません。舌質は暗青、舌苔は白くてべたつき、脈は緩滞、下肢に細絡(皮膚表面に浮き上がった細い血管)が多い。これらの情報から「寒湿停滞、経脈瘀阻」による筋肉痛だと判断しました。

 これに対して、患側(かんそく、痛みのある側)の居髎(きょりょう)、環跳(かんちょう)、風市(ふうし)、陽陵泉(ようりょうせん)、飛揚(ひよう)、坵虚(きゅうきょ)などのツボに鍼を刺した上で、居髎と環跳に温灸しました。治療後、痛みがかなり緩和しました。来る時は足を引きずっていましたが、帰りには軽やかな歩調で歩きました。その後、週一回の治療で、3回目の治療後は、夜も昼も痛みが殆ど無くなり、ただ夕方疲れた時に痛みを感じるぐらいになりました。

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