チベットの光 (57) 忍辱

叔母が帰った後もミラレパは洞窟の中で修行を続けた。しかし、しばらくすると修煉の壁に突き当たった。自らどのように努力しようとも、それを突破することができずに、どうしたものかと思案に明け暮れていたところ、突如として彼は畑の中にあって、手には耕作用の農具が握られていた。しかし、畑の地面は硬く、耕すことは困難であった。

 「こんなに地面が硬くては耕すことができない」、ミラレパは独り言を言いながら諦めかけていると、遠くの空から一筋の金光が出現した。それは、遠くから段々と近づいてきて、ミラレパが目を凝らすと、それは果たしてマラバ師父であった。師父は彼に言った。「おまえさんや、あきらめずに耕しなさい。地面が硬くてもひるまず、勇猛果敢に前進すれば、最後には成就するぞ」。言い終えると、マラバ師父はいつのまにか地面に降り立っていて、彼の目の前で畑を耕していた。彼もすぐに師父の後について畑を耕し始めた。しばらくして彼が振り返ってみると、畑の中には豊穣の苗が青々と茂っていた。彼は嬉しくなって、目を見開いてみると、そこは相も変わらない洞窟の中であった。それは元々、夢だったのだ。

 ミラレパはこの夢を見た後、大いに励まされた。夢の中で師父から指導を受けたようで、信心が大いに増したのであった。彼は思った。精進して努力すれば、必ず困難は突破できる。一層上の次元に行ける。ミラレパは夢を見た後、フマパイの洞穴に行って修行をすることに思い至った。

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