韓国・江原道で建設が予定されている「中国文化タウン」プロジェクトは、地元住民から強い反対を受け、中止となった。写真は江原道の景色( ED JONES/AFP via Getty Images)

韓国江原道、「中国文化タウン」建設計画が中止へ  反対署名60万超え

韓国・江原道(カンウォンド)で建設予定の「中国文化タウン」の開発業者は27日、住民の強い反対を受け、プロジェクトの中止を発表した。韓国市民が中国共産党による浸透工作に警戒を強めていると一部の公民権活動家は分析した。

「青瓦台の国民直接請願サイト」に4月18日現在、建設中止を求める署名は60万筆を超えた。

ラジオ・フリー・アジアの報道によると、同プロジェクトの費用は10億ドル(約1087億円)にのぼる。開発企業のコロン・グローバル(Kolon Global Corporation)は「莫大な損失を被るが、同プロジェクトを進めることができないことを理解している」とコメントした。

韓国系米国人の公民権活動家である金世訓氏は、親中派の文在寅政権は韓国人、特に若者の間での支持率が低いことに加え、キムチや韓服などの文化的起源をめぐる韓中間の論争が市民の反中感情の高まりにつながっていると分析した。

金氏はまた「この中国文化タウンのプロジェクトは、対中宥和政策の1つと見なされている。多くの韓国人は、同プロジェクトが中国共産党の影響力拡大の足掛かりになると考えている」と指摘した。

同氏はさらに、韓国メディアが香港での抗議運動を大きく報道したため、韓国市民の多くが中国共産党による人権抑圧に嫌悪感を抱いていると説明した。

「中国共産党の『一帯一路』は常に文化交流を口実に、地域の政治や経済に影響を与えようとしている。韓国人はこれには本当にうんざりしている」と指摘した。

反対署名の発起人は「中国文化タウンの建設は、江原道・首府の春川巿內にある遺跡を破壊してしまう恐れがあるからだ」と反対の理由を述べた。

観光名所でもある江原道と中国人民網は2019年、春川市と洪川市に「中国文化タウン」を建設する協定に署名した。

江原道の崔文洵知事はかねてから、同プロジェクトは民間企業が投資する観光建設プロジェクトであり、中国人が集団で暮らす「チャイナタウン」の建設ではないと主張している。しかし、国民は納得しなかった。

同プロジェクトの面積は約120万平方メートルで、仁川の「チャイナタウン」の10倍規模と予定されていた。

崔文洵知事は当時、プロジェクトの発足式で、これを「文化の一帯一路」と呼んでいた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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