中国科学院武漢国家バイオハザード実験室(武漢P4実験室)(JOHANNES EISELE/AFP via Getty Images)

米国務省、最新年次報告で中国の生物兵器開発に懸念

米国務省が15日に公開した、武器コンプライアンスに関する最新報告で、中国当局は昨年、国務省武器管理・規制担当者とのオンライン会議をキャンセルしたことが明らかになった。米側は同会議で、中国側が密かに生物兵器を開発していることへの懸念について議論する予定だった。

米紙ワシントン・タイムズ25日付によると、同最新年次報告書では、中国側は「技術に問題が生じた」として会議への出席を取りやめた。米国務省の担当者はこの会議で、中国が1975年に発効した生物兵器禁止条約(BWC)に違反し、微生物や毒物による殺人兵器を開発していることへの懸念について、中国側と協議しようとした。2017~19年まで、米国務省はこの懸念について毎年、中国側と協議していた。今回、中国が初めて出席を取りやめた。

また、国務省の今年の年次武器コンプライアンス報告書は昨年の内容と比べて、中国に関する文言に変化がみられた。昨年の報告書は、中国当局が「潜在的な」軍事的応用に関する活動を行っていると指摘した。今年の報告書では、最新情報に基づき、「潜在的な」という表現を省略した。

中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染が拡大して以降、一部の米当局や議員は、中共ウイルスは中国武漢にある実験室から流出したと指摘した。中国当局は、同ウイルスの実験室流出説を否定し続けた。ワシントン・タイムズ紙は、この疑惑が高まる最中に、中国が生物武器に関する米中間の協議を欠席したと指摘した。

一方、国務省の武器コンプライアンスに関する年次報告は、中国当局が細菌兵器を秘密裏に開発し、中国軍がバイオテクノロジーのデュアルユース(軍事・民生両用)を行っている可能性を示した。中国はBWCの第1条に違反したと批判した。

「米国は、中国の軍事医療機関による毒素の研究開発に関して、その用途がデュアルユースであり、生物学的脅威となる可能性があることから、コンプライアンス上の懸念を抱く」

ワシントン・タイムズ紙は、中国軍が40以上の軍事研究機関を運営し、秘密裏に生物兵器の研究を行っているとした。

同紙によれば、米国務省の高官は昨年5月、中国の生物兵器研究には、特定の民族を病原体で攻撃するように設計された兵器が含まれていることを明らかにした。

中国の退役将校であるチャン・シボー(Zhang Shibo)氏は2017年の著書の中で、バイオテクノロジーの進歩により、「特定の民族の遺伝子を攻撃できる」武器などを含む、生物兵器の攻撃性がますます高められたと言及した。同紙は、チャン氏の発言は米政府の懸念の裏付けだとした。

最新報告は、「中国はおそらく、リシン毒素、ボツリヌス毒素、および炭疽菌、コレラ、疫病、野兎病の病原体を兵器化していた」と示した。

(翻訳編集・張哲)

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