チベットの光 (55) 許嫁との再会
ミラレパは食料をもって、疲労困憊して傷ついた身体を引きずりながら洞窟へ帰った。彼は歩きながら思った。
郷里の近くに住んではみたものの、地元住民の怒りをかってしまった。もういっそのこと別の土地にでも移ろうか。彼がよそに移ろうかと思案していると、数日もしないうちにジェサイがやってきた。
ジェサイは食料と酒をもってミラレパの元にやってきた。彼女はミラレパを一目見るなり、彼に抱きついてわっと泣き出し、ここ数年に起きた出来事を話し始めた。母親がいかにして亡くなったのか、妹がどのような事情で糊口のためによその土地に行ったのかを聞いたミラレパは、心痛のため涙を隠しきれなかった。彼はひとしきりすると、涙を堪えて尋ねた。「君はまだお嫁に行っていないの?」
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