チベットの光 (54) 再び罪業を償う
果たして、それはミラレパの叔母であった。彼女は口で罵りながら、棍棒を手にして猛烈に殴りかかってきた。ミラレパは身をひるがえしてこれを避けようとするものの、身体が衰弱しきっていて、駆け出した途中で石につまづき、脚がもつれて近くの渓流に転がり落ちた。
叔母は罵りながら後ろから追ってきて、彼に追いつくと手にした棍棒で死に物狂いにミラレパを乱打した。ミラレパはほうほうのていで逃げ出そうとするが、容易に立ち上がれない。彼は涙を流しながら詩歌を歌った。
叔母さんよ、思い出してほしい 私は郷里を追われたのだ
老いた母は悲痛の中で亡くなり 妹は糊口のために他所へ行った
親子三人の苦痛は いったい誰が与えたのか
私があなたの門前に行くと 猛犬をけしかけられた
罵詈雑言の限りを尽くされ 私の心は冷え切ってしまった
杖が雨のように打ち据えられ 弱った私の身体は事切れそうだ
私は修行者の身の上 怒ろうにも怒りようがない
叔母さんよ、怒りをおさめて 私に食料を布施してくれないか
関連記事
自分を許せない背景には、過去へのとらわれや強すぎる責任感が関係することがあります。責任を受け止めながら心を軽くする視点を紹介します。
突然の動悸や脈の乱れは、一時的なものだけでなく危険な不整脈の可能性もあります。受診の目安や発作時の対処法を医師が解説します。
春に悪化しやすい喘息、その原因は「炎症」にあった?最新研究が示す治療の変化と、発作を防ぐための生活の工夫をわかりやすく解説します。
鳥を見たり鳴き声に耳を澄ませたりすることは、不安や孤独感を和らげ、心を今に戻す助けになる可能性があります。気軽に始められる自然の癒やしです。
薬だけに頼らず、運動と生活習慣で進行にブレーキをかける——パーキンソン病と向き合う新しいアプローチをわかりやすく解説します。