(Photo by Paula Bronstein/Getty Images)

チベットの光 (42) 露見

 ウェンシーは山の洞穴の中で怠りなく修行に精進していたが、一向にこの法門特有の感覚を得られなかった。彼は洞穴のなかでぽつんと一人でいるようで、だんだんとマルバ師父との以前のいきさつが気になりだした。

 「無論どんなことがあっても、正法を求めるためには、師父を騙すことがあってはならない」。彼はこう思い、師父を騙したことを後悔し始めた。彼は以前に、師父から法を伝えてもらいたくて、師母の計にのって師父の元を去るふりをして、却って師父に叱られたことを思い出した。彼が急いで正法を求めれば求めるほどに、かえってその機会は遠のいていくのだった。まさに、心が急げば急ぐほどに、道から離れて遠のき、近道を走ろうとすればするほどに、道は大きく湾曲するのであった。心が不正なのに、どうして正法を得ることができようか。

 このようであったがやるかたもなく、またアバ・ラマに本当のことを切り出す勇気もなかった。しばらくして、アバ・ラマがやってきた。彼は、マルバ師父からの手紙を手にして、ウェンシーに尋ねた。

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