スウェーデン野党、中国大使の追放求める 記者らへの脅迫が常態化で
駐スウェーデン中国大使館はこのほど、新疆問題をめぐって、同国衣料小売り大手H&Mが中国で不買運動の標的にされたと報道したジャーナリストを脅迫したことがわかった。これを受け、スウェーデン野党は政府に桂従友・中国大使の国外追放を求めている。
野党のスウェーデン民主党のスポークスマン(外交担当)、マーカス・ウィーチェル(Markus Wiechel)氏は、中国大使の行動は両国の外交関係を傷つけ、絶対に受け入れられないと強調した。
野党のキリスト教民主党のスポークスマンを務めるラース・アダクトゥソン(Lars Adaktusson)氏も、同国外務省がこれまで中国大使を召喚し抗議したにもかかわらず、中国大使館は依然として同国の言論の自由や政治に干渉しているため、桂従友氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」に認定し、追放すべきだと話した。
台湾中央社によると、左翼党(Left Party)と穏健党(Moderates)などの野党の党首らも、今まで中国大使の追放を求めてきた。
中国大使館によるスウェーデン人ジャーナリストへの脅迫は常態化している。
スウェーデンの有力紙、ネリケス・アレハンダ(Nerikes Allehanda)は2019年5月の社説で、台湾の民主主義を褒め称え、中国の覇権主義を批判したため、中国大使館から抗議を受けた。中国大使館は「間違いを訂正し、中国側のコメントを掲載する」よう要求したが、拒否された。
同紙記者はかつて、記事で台湾の駐スウェーデン事務所の代表、姚金祥氏を「大使」と呼称したため、中国大使館から少なくとも3件の脅迫電子メールが届いた。
同紙編集長は中国大使館の言動は「想定内」だと述べ、中国が言論審査のロングアームを海外まで伸ばし、自由国家のメディアにまで届いていると非難した。
アン・リンデ(Ann Linde)外務大臣は野党からの批判を受け、中国大使を複数回、召喚し厳重に抗議し、スウェーデンの法律を遵守するよう要求したと述べた。
(翻訳編集・張哲)