【医学古今】

体のだるさに鍼灸治療

もしあなたが体のだるさを訴えて病院を受診しても、ほぼ無視されるでしょう。というのは、体のだるさは病気ではなく、病気の付随症状でしかないからです。もし一通りの検査をしても何の異常も見つからなかった場合、恐らく治療の必要はないと言われるでしょう。こんな時、漢方や鍼灸の治療が非常に有効です。

 漢方医学は病名そのものより体質を重視し、病名が分からなくても体質を判断したうえで、適切な治療を施すことができます。漢方医学の理論から見ると、体のだるさは気虚、血虚、気欝、湿滞などの体質的な要因によって引き起こされていると考えられます。患者さんの身体に現れた関連症状と診察によって得られる症候を合わせて分析し、だるさを起こす体質要因を判断できれば治療を施すことができます。

 かつて40代の女性を治療したことがあります。この患者さんは、皮膚と鼻、目にアレルギー症状があり、更に生理不順、冷え症、足の浮腫み、肩こり、高脂血症などの問題がありました。その他、「いつも体がだるい」と訴えていました。これに対して漢方理論にそって診察した結果、「肝脾不足、気血虚弱、水湿停滞」という体質であると判断しました。漢方と鍼灸で暫く治療した後、彼女の諸症状は殆ど消え、ただ、ほんの少し肩こりを感じる程度にまで体質が改善されました。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。