sandra Simon/pixabay
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人間と犬の不思議な縁

佛教では世の中の人と人のつながりは、すべて縁によるものだと説かれます。遠くにいても縁がある人なら出会えますが、縁が無い人とはいくら近くにいても触れ合うチャンスすらありません。これからお話しするイギリス人女性とギリシアの野良犬との出会いは、まさにこのような「縁」によるものだと言えるでしょう。

この夏、イギリス人女性、ジョージア・ブラッドリ(25)さんはギリシアのクレタ島へ旅行に出掛けました。旅行中に砂浜を散歩していると、二人のギリシア人男性に声を掛けられ、「お酒を飲みに行こう」と誘われました。ブラッドリさんには男性に付いて行く気などありませんでしたが、男性たちはしつこく、なかなか諦めてくれません。仕方がないので強く拒否すると、彼女の腕を掴まえて強引に連れて行こうとしました。すると突然、1匹の黒い野良犬が現れ、男性たちに向かって吠え始めたのです。野良犬がものすごい剣幕で吠えるので、男性たちはしぶしぶ去っていきました。この犬のおかけで、ブラッドリさんは危機から脱出できたのです。

野良犬は男たちが去った後もブラッドリさんから離れず、彼女が宿泊しているホテルまで付いてきました。ブラッドリさんと野良犬は仲良くなり、彼女はこの犬にペッパーという名前を付けました。それから旅行の間ずっと、ブラッドリさんが外出するとペッパーが付いてくるようになり、ホテルに戻った後は外で彼女を見守るようになりました。

ブラッドリさんは「帰国前に、ペッパーに住むところを確保してあげたい」と思い、近くの動物収容所に連れて行きましたが収容は拒否されました。帰国当日、ペッパーはブラッドリさんが空港へ向かう車を暫く後ろから追いかけてきたといいます。ブラッドリさんは当時の気持ちを「非常につらかった」と話してくれました。

ブラッドリさんは帰国後もペッパーのことが忘れられず、結局2週間後、ギリシアを再訪問しました。男から助けてくれた砂浜でペッパーを見つけた時は「本当に嬉しかった」と語るブラッドリさん。彼女はその時、ペッパーをイギリスへ連れて帰ることを決意したのです。

まずは保健所に連れて行き、ペッパーが間違いなく野良犬であることを確認しました。その後、マイクロチップを埋め込んで狂犬病のワクチンを接種し、21日間の隔離検疫を受けさせる手続きをしました。隔離検疫の間は一旦イギリスに戻り、ブラッドリさんがペッパーを迎えに再びギリシアを訪れると、そこには予想外の喜びが待っていました。ペッパーは妊娠していたのです。一緒にイギリスに帰国して一週間後、ペッパーは6匹の可愛い子犬を産みました。

ペッパーのためにかなりの費用が掛かりましたが、それでもこの不思議な縁はブラッドリさんにたくさんの幸福をもたらしてくれたのです。

(翻訳編集・金谷)

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