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【歌の手帳】夢のうちにも

  やどりして春の山べに寝たる夜は夢のうちにも花ぞ散りける(古今集)

 歌意「春の日。ある山寺に参詣して、その夜の宿を借りた。すると夢のなかにも、昼間見た桜の花が、まことに趣き深く散り舞っている」。緊急事態宣言が解除されたとは言え、リバウンドを防ぐ緊張状態がまだまだ続く昨今。こんな夢のような春の旅をしてみたいものだと、つくづく思います。

 「男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり」という冒頭の『土佐日記』で知られる紀貫之(きのつらゆき 866頃~945)の作。『古今和歌集』の仮名序を著し、また歌の選者として同集の成立に中心的に関わった紀貫之は、古今を問わず、我が国を代表する歌人といっても過言ではありません。

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