ミャンマー日本商工会議所は、平和抗議に対する暴力行為に憂慮を示す声明を発表した。20日、ヤンゴンでバリケードを設置する抗議者たち(STR/AFP via Getty Images)

ミャンマー日本商工会議所 平和抗議に対する暴力行為に憂慮

ミャンマーの日系企業約430社が加盟する「ミャンマー日本商工会議所(JCCM)」は15日、市民による抗議デモで多数の死傷者が発生していることに深い憂慮を示す声明を発表した。

JCCMの公式ホームページに発表された声明文は、「平和的な抗議活動を行っているミャンマー国民に対して暴力が行使され多数の死傷者が発生していることを深く憂慮」し、「暴力行為が直ちに停止され、民主主義に基づき、安定を回復することをせつに求め」るとした。また、「今後もミャンマーの人々が幸せになり、民主主義がもたらされるために、可能な限りの努力を尽くしていく」と意思表明した。

外務省によると、20日も首都ヤンゴン市内や各地方で軍事政権に対する反対運動が続いている。その前日には、ヤンゴン地域新ダゴン(南)地区、マンダレー地域、カヤー州、モン州等でデモ隊に対する当局の発砲による死亡事案が発生したとの報道がある。また、デモに参加していない住民に対する暴力も発生しているという。

ミャンマーでは15日以降、携帯電話SIMカードによるインターネット接続が遮断されている。17日までに全ての民間日刊紙の発行が停止した。国民は、国軍の主張を報じる国営メディアのみ閲覧できる状況で、得られる情報がかなり制限されている。

19日までは、携帯電話の通話は可能で、固定通信回線によるWi-Fi経由のインターネット接続も制限されていない。SNS上では、軍・警察が抗議する市民に発砲する様子や犠牲者の姿、抗議活動への呼び掛けなどが集まっていることから、今後も軍事政権が情報統制を厳しくなる可能性がある。

当局の反対運動に対する制圧のための動きは一層厳しくなっている。外務省は、在ミャンマー邦人に対して帰国の検討を促している。

(佐渡道世)

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