【医学古今】
便秘症の標治と本治
漢方医学には、標治と本治の考え方があり、現代医学の対症療法と原因療法に相当します。
標治、つまり対症療法は、一時的に症状を改善することを目的としているため病気を根治できず、症状が現れるたびに薬を飲んだり、飲み続けたりします。便秘症の治療で多くの下剤は標治法にあたり、大黄、センナ、芒硝などの生薬が主成分です。
一般的に、漢方医学は本治、つまり原因療法が目標で「審症求因」と言い、表に現れた症状を分析して裏側の原因を突き止めて治療します。ただ、本治法は体質改善が目的で改善されるまでに時間がかかるため、その間、標治法を合わせて治療する場合も少なくありません。
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