【歌の手帳】小舟の運命
世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも(金槐集)
源実朝(1192~1219)の歌です。小倉百人一首にもある歌ですが、これが難解な一首で、考えれば考えるほど、何だか歌中の小舟が遠ざかるような気がするのです。
通常の解釈として例を挙げると「世の中は常に変わらぬものであってほしいなあ。今この渚を漕いでいく海士の小舟の、綱手を引く様子が悲しく感じられることよ」。また別解として「世の中はいつもこうであってほしいものだ。波打ち際を漕いでいく漁師の、小舟の手綱を引く姿の、いとおしいことよ」。
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