【党文化の解体】第1章(3)「唯物論を宣伝する」

2.唯物論を宣伝する

 無神論は、党文化の基礎として、人々の神に対する正しい信仰を破壊し、それによって中共はほしいままに振舞えるようになった。しかし中共はこれよりさらに多くのものを望んだ。弁証唯物論と歴史唯物論もまた、共産党の世界観と方法論として、党文化の別の基礎となった。その結果、唯物論に洗脳された中国民衆たちが見る世界と歴史は、過去のものとはもはや全く異なるものとなったのである。

 マルクスとエンゲルスの唯物論は、論議を呼ぶ一種の哲学流派に過ぎなかった。出版業者エドゥアルト・ベルンシュタイン(Eduard Bernstein)はかつて、エンゲルスの『自然弁証法』の草稿をアインシュタインに渡して、この草稿を印刷すべきかどうか、意見を求めた。アインシュタインはエンゲルスの『自然弁証法』に納得がいかず、「もしこの草稿が歴史的な人物として注目に値する著者の手から出たのでなければ、私はそれを印刷しないよう提案する」「何故なら、現代物理学の観点から言っても、物理学史の角度から言っても、この草稿の内容には何ら興味深い点はないからだ」と言った。

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