唐王朝の名宰相・婁師徳の因果応報
唐王朝初期、婁師徳(ろう・しとく)という名宰相がいた。背が高く、大きな口と厚みのある唇はその人物の人となりを表していた。史書によれば彼は落ち着いた性格で度量が大きく、たとえ彼を怒らせる相手であっても許しを請えば、謙虚に譲歩した。しかも立腹した表情を顔に出すこともない。中国ではよく知られている諺の「顔に吐かれた唾が自然に乾くのを待つ」、すなわち、侮辱を受けてもじっと我慢するというのは彼に由来している。
婁師徳は、唐王朝では数少ない文武両道の大臣だった。彼は唐王朝のためにずば抜けた貢献をしたことにより、唐の徳宗皇帝によって、房玄齢や杜如晦などの有名な大臣と同様、37人の名宰相ランキングに名を連ねた。
婁師徳は七十歳で亡くなる少し前、睡眠と仕事において不安定な状態にあった。彼の身の回りの者達は、婁師徳がしょっちゅう何の理由も分からず突然驚いて、「わしの背中を叩くのは誰だ?」と言うのに気づいたが、彼らには何も見えなかった。
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