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<中共ウイルス>中国、偽ワクチンが横行 海外流出も 「生理食塩水が原材料」

中国の警察当局は2月10日現在、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の偽造ワクチンを巡って、全国で20件以上の事案を摘発し、70人あまりを逮捕した。

15日付の国営新華社通信によると、容疑者らは昨年9月から生理食塩水やミネラルウォーターを使って偽ワクチンを作り、違法な売買や集団接種で利益を得ていた。偽ワクチンの一部はすでに海外に流出しているという。

中国の最高人民検察院(最高検)がこのほど公表した事例によると、容疑者らはインターネットで本物のワクチンの包装などを調べ、生理食塩水を使って偽ワクチンを製造した。生理食塩水がなくなったら、ミネラルウォーターに変えていた。製造終了後、容疑者らは「内部ルートから入手した本物のワクチン」だと主張していた。

2人の容疑者は昨年11月に逮捕された。偽ワクチンは、計5万8000本製造・販売され、約1800万元(約2億9500万円)の利益があったという。

別の捜査で摘発された容疑者らは偽ワクチンを地域で、高値で販売し村の医師に購入者の接種を依頼していた。昨年12月時点で、200人に500回以上の接種を行い、54万7000元(約900万円)の利益を得ていたことが判明した。

一部のネットユーザーは、「ワクチンの接種は本来、病院や政府指定の施設で行うものだ。病院や政府の関与がなければ、偽ワクチンが市場に流入するのは難しい」と当局の関与を疑っている。

国営メディアはまた、偽ワクチンの一部が香港から海外に密輸されたと報じ、「国のイメージを傷つける行為」としている。中国河北省の実業家は、匿名を条件に米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じ、国営メディアは、海外に販売された中国製ワクチンに問題が生じた場合、その責任を偽ワクチンに擦り付けるためこのように報道している可能性があると語った。

「欠陥ワクチンが最も致命的」

中国では食品やワクチンの偽造が横行している。RFA16日付の報道によると、NGO「北京益仁平中心」の共同創設者である陸軍氏は、中国国民に最も致命的な被害を与えているのは、国内正規メーカーが製造した欠陥ワクチンによるものだと述べた。

「2007年の山西省ワクチン事件や2016年の山東省ワクチン事件など、ワクチン接種後に子どもが死傷する事件が多発している。正規メーカーが質の悪いワクチンを製造したり、政府部門がワクチンの調達、流通、輸送の過程において規範の違反または法令違反を犯したりするケースは後を絶たない」としている。

複数のワクチン訴訟の代理人を務めた匿名の弁護士は、RFAの取材に対し、中国当局は、欠陥ワクチンの根本原因に対処するのではなく、問題を暴露した市民を黙らせ、弾圧してきたと語った。

(翻訳編集・王君宜)

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