【紀元曙光】2021年2月5日

2008年、北京でオリンピックが行われた。

中国共産党は当初、2000年ぴったりの北京五輪開催を目指していた。開催地の最終選考会は1993年9月23日。北京は、立候補した6都市(後にブラジリアは辞退)のなかでも最有力候補と見られており、3回の投票でも常に第一位だった。ところが決戦投票の結果、43対45の僅差でシドニーに敗れた。

▼米国の国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによる、中国国内における人権迫害を指弾する意見が、決戦投票に影響したとも言われる。以来、中国の反米感情は、暗闇の炭火のように燃え続ける。

▼2008年の五輪開催地は、2001年7月にモスクワで開かれたIOC総会で、票の過半数を獲得した北京に、あっけなく決まった。中国共産党による人権迫害の状況が変わっていないことを理由に、北京への五輪招致に反対する声も上がったが、北京の招致委員会は「オリンピックを開催することで人権問題やその他の諸問題は向上する」と反論した。

▼末尾の「向上する(原文は進歩)」が実に不可解であるが、日本も含め世界は、中共の口車に乗せられたように、2008年の北京五輪に向かって動き出すことになった。もちろん中共の嘘に騙されない人々もいた。「人権なくして五輪なし」を高く掲げ、グローバル人権聖火リレーを実施。あの熱い日を、日本人も思い出されたい。

▼天もまた大鉄槌を下した。2008年5月12日、四川大地震が発生する。犠牲者は8万人以上だが、正確な数は不明である。2022年に北京で冬季五輪。正気の沙汰ではない。

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