米共和党の選挙監視員が、ジョージア州アトランタのフルトン郡選挙準備センターに保管されている投票機の運搬用ケースを確認している=2020年11月4日(Jessica McGowan/Getty Images)

元米軍情報官が証言「外国勢力による投票システムへの操作が意図的に許可された」

元連邦検察官のシドニー・パウエル(Sidney Powell)弁護士が11月25日にミシガン州を起訴した際に提出した証拠の中には、元米軍情報官が「ドミニオン投票システム」が中国共産党やセルビアイランなどの外国勢力によって米国の選挙不正操作するために使用されていたと証言した宣誓供述書(PDF)が含まれている。

参考人は、米陸軍第305軍事情報大隊(305th Military Intelligence Battalion)の元情報分析官で、世界有数の選挙専門家の下で働き、ホワイトハットハッカー(White Hat Hacker、倫理的ハッカー)として豊富な経験を積んでいた。

この参考人の分析は、ネット上に存在するドミニオン投票システム(Dominion)や「エジソン・リサーチEdison Research)」など、2020年の米大統領選不正操作が疑われる組織に焦点を当てている。

エジソン・リサーチは1994年に設立されたメディア調査会社で、2003年から全米選挙連盟(National Election Pool)のテレビネットワークに投票データを提供する唯一のプロバイダーとなった。2020年の米大統領選では、ニューヨークタイムズ(NYT)、CNN、NBCなどの米メディアが、エジソン・リサーチのリアルタイムの集計データを利用した。

参考人はドミニオン社とエジソン・リサーチ社に対し、SpiderfootとRobtex(セキュリティ検査ツール)を用いてスキャンし、セキュリティ上の脆弱性を検出した。

「ドミニオン社のサーバーに中国とセルビアが接続」

参考人は2020年11月8日、ドミニオン投票システムのウェブサイト(Dominionvoting.com)のスキャンから、暗号化されていないパスワード13個と、TORノードにおけるハッシュアルゴリズムで暗号化されたパスワード75個を含む、ドミニオン社とそのオンラインユーザーおよびネットワークデバイスに関する情報を取得した。

ネットワークスキャンでは、暗号化されていないパスワードや暗号化されたハッシュパスワードを取得できるため、システムがハッキングや操作に対して脆弱であるということを意味している。

参考人はウェブ分析を通じて、ドミニオン投票システムがdvscorp.com(中国のメイン)などサブメインを所有しており、これらのドメインが中国やイランと連結していることを発見した。

参考人はまた、米国特許商標庁(USPTO)の記録を確認したところ、ドミニオン社は2019年、中国とビジネス上の関係が深いカナダの銀行であるHSBCを通じて、複数の投票ソフトウェア特許を中国に売却したことが判明した。

また、分析の結果、ドミニオン投票システムがセルビアに関連していることも明らかになった。参考人がドミニオン社のウェブサイトをスキャンしたところ、同社のドメイン名には、ベオグラード(Belgrade、セルビアの首都)というサブドメインが存在していることを発見した。11月9日、ビジネス特化型SNS「LinkedIn」で検索したところ、ドミニオン社がセルビアに多数の従業員を抱えていることが判明した。

「エジソン・リサーチ社のサーバーにイランが接続」

参考人が2020年11月8日にエジソン・リサーチ社のウェブサイト(edisonresearch.com)をスキャンしたところ、同社のサーバーにイランが接続していることが判明した。分析の結果、エジソン・リサーチ社はイランにサーバーを所有していることが確認された。

参考人はまた、エジソン・リサーチがパキスタン投資ファンド「BMAキャピタルマネジメント」とVPS(仮想専用サーバー)でつながっている。BMA社はイランで事業を展開しており、イランの資本市場へのアクセスを提供している。

また、オンライン解析ツール「Robtex(ロブテックス)」を使って検索したところ、エジソン・リサーチのイランのサーバーのIPアドレスも、イランがリモートサーバーとして使用しているオランダのサーバーに紐付けられていたことが判明した。

「システムの脆弱性は意図的に作り出されたもの」

参考人によると、各投票ソフトウェア会社にはそれぞれ独自の「中央報告先(central reporting affiliate)」があり、エジソン・リサーチがドミニオン投票システムの中央報告先だったと証言している。つまり、ドミニオン社は、米国の有権者から投票情報を取り込み、エジソン・リサーチに報告している。

エジソン・リサーチは、投票ソフトから得られた情報を集約し、開票結果のデータを選挙予測機関やメディアに提供している。

スマートマチック(Smartmatic)社のシステムがドミニオン投票システムの「バックボーン(Backbone、基幹回線網)」であり、Scytl(サイトル)社は選挙システムのセキュリティを維持管理しているという。

パウエル弁護士は11月20日、米ラジオ番組Triumph Radio & Glenn Beck’s Showの取材に対し、米大統領選の投票情報がドミニオン社の投票機とスマートマチックの集計ソフトウェアによってドイツのScytl社のサーバーに送られ、そこで票の集計の改竄が行われたとし、「Scytl社のサーバーに敵対国4カ国の回線が接続されていた」と指摘した。

同情報官は「私の専門的な見解では、この宣誓供述書は、ドミニオン投票システムとエジソン・リサーチがイランや中国(共産党)などの敵対的外国勢力からの潜入や妨害工作の影響を受けやすいという明確な証拠を提供している」と述べている。

証言の最後に、「これらの会社は、2020年の選挙を含む米国の選挙を監視し、操作するために、敵対的外国勢力が彼らのサイバーインフラストラクチャにハッキングすることを意図的に許可している。これは技術的な問題ではなく、むしろガバナンスと基本的なセキュリティの問題である」と指摘した。

(翻訳編集・王君宜)

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