2013年12月5日、北京への公式訪問中に、胡同を訪れたジョー・バイデン前副大統領と、息子のハンター・バイデン氏(左)、孫娘のフィネガン・バイデン氏(右)(Andy Wong-Pool/Getty Images)

民主党大統領候補の中国疑惑 メール受取人にバイデン一家 ハンター氏の元取引先が明かす

米ジョー・バイデン民主党大統領候補の一家をめぐる中国との不正ビジネス疑惑で、証言者が現れた。ニューヨーク・ポストが先週公開した、中国ビジネスに関する暴露メールに関して、ハンター・バイデン氏の元ビジネスパートナーは、メール受信者はバイデン氏や息子たちであることを明かした。メールには、すでに倒産した中国のエネルギー複合企業とバイデン家の合弁事業に関して、報酬パッケージと株式の配当の提案が詳細に記載されている。

メールの受信者リストには、トニー・ボブリンスキーTony Bobulinski)氏の名前とメールアドレスがある。ボブリンスキー氏は大紀元の取材に対して、問題のメールの中に記されている契約は、中国のエネルギー企業、中国華信能源(CEFC China Energy、以下華信)とバイデン家との合弁事業に関するものだと述べている。

ニューヨーク・ポストが掲載したメールには、ハンター・バイデン氏の側近数人の「報酬パッケージ」が詳しく記されている。中にはハンターの報酬「850」や、ジョー・バイデン前副大統領の弟のジェームズ・バイデン氏を指す「ジェームズ」の報酬「500,000」などと記されている。

メールには大統領候補含むバイデン一家が3人

ハンター氏のビジネスパートナーであるジェームズ・ギリアー(James Gilliar)氏が2017年5月13日に送信したメールには、「株式が以下の通り分配される暫定合意」が詳述されている。

20 H

20 RW

20 JG

20 TB

10 Jim

10 held by H for the big guy?

ボブリンスキー氏は、メールの中の「big guy(ビッグガイ)」は、現在民主党の大統領候補であるジョー・バイデン氏のことであり、一方、「Jim」はジョー・バイデン氏の弟のジェームズ・バイデン氏のことだと話した。

ジョー・バイデン氏は、8年間副大統領を務めた後、メールが送信された日付の4カ月前にホワイトハウスを去っている。

ボブリンスキー氏は2017年5月13日付けのメールと同じメールアドレスを使い、大紀元に対して「私が説明していることは事実だ。これが事実だと知っているのは、私が全てを経験したからだ」と回答した。

「私はSinohawk HoldingsのCEOだ。Sinohawk Holdingsは、中国側が華信と同社の葉簡明会長を通じて、バイデン家と立ち上げた合弁事業だ。私はジェームズ・ギリアーとハンター・バイデンによってCEOに任命された。この頃大々的に報道されている、2017年5月13日付けのメールの中の『the big guy』は、確かにジョー・バイデンを指している。メールに書かれている『JB』は、ジョーの弟のジム・バイデンだ」

デラウェア州務長官に提出された書類によると、Sinohawk Holdings LLCは問題のメールが送信された2日後の2017年5月15日に設立された。

ボブリンスキー氏は、「私には『政治的な目的』はなく、私が行ったわずかな政治献金は民主党へのものだった」と語った。米連邦選挙委員会のデータベースを検索した結果、同氏の主張が裏付けられた。

腐敗一掃で消えた中国最大の石油企業

上海を拠点とする華信は、2018年に中国政府の腐敗一掃キャンペーンの標的になるまでは、中国最大の民間石油会社だった。同社はロシア、東欧、アフリカの一部で数十億ドル規模の事業を手がけていた。創設者で会長の葉簡明氏は、中国共産党の上層部と親密な関係にあった。

葉氏は「経済犯罪」の容疑で中国政府の捜査を受けて拘禁された後、2018年初頭から行方不明となっている。中国の財新メディアによると、華信は2019年3月から国有企業が管理することになり、2020年初めに破産を申請したという。

ボブリンスキー氏によると、上院の国土安全保障・政府問題委員会と財務委員会は、同氏とバイデン家、そして「様々な外国の事業体や個人」とのビジネス関係に関する文書を要請したという。

「私はこの問題に関連する広範な記録と通信履歴を持っており、すぐにこれらを両委員会に提出するつもりだ」とボブリンスキー氏は話した。

同氏はこれまで、ブライトバート・ニュース、FOXニュース、ニューヨーク・ポストに同じ声明を発表している。

国土安全保障委員会の広報担当者は、ボブリンスキー氏と接触したことを認めた。

同広報担当者は、「委員会は、複数の情報源によって明らかにされた情報を検証する作業を行っている」と話した。「その取り組みの一環として、我々はトニー・ボブリンスキー氏を含む、最近暴露されたメールに名前が挙がっている数人の人物と接触した。真実を明らかにするため、彼らの協力を期待している」

「ハンターだけのビジネスではない」元取引相手が明かす

ニューヨーク・ポストが掲載したメールの出所をめぐっては、激しい論争が繰り広げられている。大統領選挙の投票日が近づいていることもその要因の一つだ。

ニューヨーク・ポストは、トランプ大統領の個人弁護士であるルディ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長から、問題となっている複数のメールを受け取った。これらのメールは、ハンター・バイデン氏がデラウェア州ウィルミントンのMac修理店に置き去りにしたノートパソコンから回収したとされるデータの一部だ。修理店のオーナーであるジョン・ポール・マック・アイザック氏は、FBIからの召喚状に従って2019年12月にノートパソコンをFBIに提出したと述べた。ニューヨーク・ポストは召喚状のコピー、そしてマック・アイザック氏がハンターに発行したとされる領収書を公表した。

一部の民主党議員は、メールはロシアの偽情報工作の一環だと主張している。ジョン・ラトクリフ国家情報長官は、ロシアによる干渉の証拠はないと述べた。

ボブリンスキー氏は、今回の声明を発表したのは、メールが本物かどうかの論争があり、外国の関与がほのめかされているからだと話した。

「以下に掲げる事実は、真実かつ正確だ。国内外の偽情報ではない」とボブリンスキー氏は声明で述べた。声明の全文はこの記事の下に掲載されている。「これが真実ではないといういかなる示唆も虚偽であり、不快である。私は7日前にニューヨーク・ポストが掲載したメールの受信者であり、メールはハンター・バイデンとロブ・ウォーカーにも送られた。このメールは本物だ」

「この偉大な国への私の長年の奉仕と献身を考えると、私はもはや、現在メディアで大々的に報道されているようなロシアの偽情報や、嘘や偽りの物語に、私の家族の名前を結び付けていることには耐えられなくなった」とボブリンスキー氏は付け加えた。

ジョー・バイデン氏は以前、息子のビジネス取引については一度も話したことがないと語っている。ボブリンスキー氏はその主張に異議を唱えた。

「ハンター・バイデンは彼の父親を『the Big Guy』とか『my Chairman』などと呼んでいた。私たちが議論していた様々な取引ついて、父親の承認やアドバイスを求めると頻繁に言っていた」とボブリンスキー氏は話した。

「バイデン前副大統領が、ハンターのビジネスについて話したことはないと言っているのを見たことがある。私はそれが真実でないとわかっている。なぜなら、これはハンターだけのビジネスではない。彼らは、バイデン一家の名誉と遺産をかけていると言っていた」

2017年8月2日にハンター氏が香港の金融業者、董功文氏に送った別のメールでは、ハンター氏は以前、華信と3年間の契約を結び、年間1000万ドルを「紹介費」として受け取っていたことが明らかになった。

最近の上院報告書によると、董氏は葉氏のビジネスパートナーであり、葉氏の会社の取引を担当していたという。

その後、葉氏はさらに利益の高い取引を持ちかけ、「ハドソン・ウエスト(Hudson West)」という持ち株会社の50%をハンター氏が所有し、葉氏が残りの半分を所有することになったと、メールには記されている。

ボブリンスキー氏は後に、この取引に参加した中国企業が金銭的報酬を得るよりも、政治的影響力を行使することに関心を持っていたことに気づいたと話した。同氏は、ハンター氏が同社の口座を「貯金箱」として使用するのを防ぐための措置を講じたと述べた。

「バイデン家はバイデンの苗字を積極的に利用し、外国企業から何百万ドルもの利益を得ており、中には共産党が支配する中国の企業もあった」とボブリンスキー氏は話した。

バイデン陣営にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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