【紀元曙光】2020年9月25日
総体的な人間の行動から、その社会の成熟度を判断すれば、自然と「民度」の高低に突き当たる。
▼他国のことを言う前に、まずは日本のことを書く。江戸期の日本人は、ほぼ毎日のルーティンとして仕事の後に銭湯へ行って入浴していた。その清潔さは同時代の欧米ではありえないレベルであり、間違いなく日本人は、世界で最も身ぎれいな民族であったといってよい。
▼一方、明治になり日本にやってきた西洋人が見て驚いたのは、日本人の男が、平気であちこちに小用を足すことだった。もちろん、今はない。
▼ただ、筆者の記憶では、おそらく昭和の中頃まで、日本の男性はこの旧習を捨て切れていなかったように思う。大らかな時代だったと言えば聞こえは良いが、やはり今思えば、ずいぶん恥ずかしいふるまいだった。日本人に限らず、どの国の人間も排泄はするのだが、それが人目に触れることは現代社会には合わない。
▼1964年の東京オリンピック以前まで、東京は非常に汚かった。ゴミ処理ひとつ取っても、人々は、分別やリサイクルなど市民としての心遣いを知らず、投げ出すようにゴミを捨てていた。近所の大人たちは、道端でよく、ゴミを燃やす「焚き火」をしていた。冬の小学校の帰り、焚き火に寄るのは楽しかったが、今では安全上の点からも許されない風景だろう。
▼筆者が想起しているのは約50年前の日本である。当時、日本の成人男性の多くが煙草を吸っており、その吸い殻を、路上に投げ捨てるのが常だった。筆者の小学校の担任は、いい先生だったが、生徒のいる教室でハイライトを吸っていた。(次稿に続く)
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