研究者達は、恐竜が絶滅した日に何が起こったかが分かる新たな証拠が見つかったと明らかにしました。
オースティンにあるテキサス大学地球物理学研究所(UTIG)の新しい研究で、6,600万年前に恐竜が絶滅した原因となっている小惑星が、巨大な高潮を発生させ、衝突クレーター(隕石の衝突によって作られたクレーター)の中に何百フィートもの岩石が移動し、クレーターを埋め尽くしたことが明らかになりました。
当大学のショーン・グリック教授は、クレーターが、近くのメキシコ湾から移動した約425フィートの物質で埋め尽くされるまで、わずか24時間しかかかっておらず、それが地質学史上最大の岩石移動量になったと推測しています。
「これは爆心地から回収することができた出来事の拡大記録です。これを見ると、どう衝撃が加わったかが分かります」と、9月9日に発表された声明でグリック教授は述べています。
2016年、国際海洋発見プログラムの科学掘削ミッションで、メキシコシティから1240km東に位置するユカタン半島の沖合で、木炭のかけら、砂、岩石の塊、土壌菌類の化学的バイオマーカーが回収されました。これは、その焦げた景観が、津波の引き潮によって、クレーターに引き込まれたことを証明しています。
この地域の土地には通常、硫黄を含む岩石が多く含まれているにも関わらず、石灰岩、花崗岩などの多くの溶けて砕けた採取物の中には、不思議なことに硫黄が含まれていませんでした。グリック教授のチームは、衝撃によってこれらの岩石が気化し、少なくとも3,250億トンの硫酸塩エアロゾルが大気中に放出され、太陽光を地表で反射し、地球規模での冷却を引き起こしたと見ています。
1883年にインドネシアのクラカタウ火山が噴火したときに大気中に放出された硫黄の量はそれのわずか4分の1だったのにも関わらず、5年間、地球の気候を平均華氏2.2度も下げました。
研究チームは、この小惑星が地球上の生物の75%を殺す100億個の原子爆弾に相当するものをもたらしたと推定しています。その結果、山火事、イリノイ州の内陸部にまで津波が到達し、世界中の大気中に放出された硫黄の濃度が非常に高く、太陽を遮り、最終的には地球規模の氷河期を引き起こしたと見ています。
「恐竜たちはまずフライになってから、冷凍されたわけです。その日に全ての恐竜が死んだわけではないですが、多くの恐竜が死んだのは事実です。このような地球規模の大量絶滅を引き起こしたのは、大気の影響が原因です」とグリック教授は述べています。
彼は、恐竜の大量絶滅は、小惑星の衝突というよりも、地球規模での冷却が原因であることを明らかにしました。
この研究チームは、国立科学財団や他の支援団体から資金援助を受けました。
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