シリア地中海のタルトス港にあるロシア海軍基地の潜水艦エリアの写真。2019年9月26日撮影(MAXIME POPOV/AFP via Getty Images)

ロシア科学者が反逆罪で起訴 中国に情報漏洩の容疑 

ロシアサンクトペテルブルク(St. Petersburg)にある北極科学アカデミー(Arctic Academy of Sciences)の会長であるバレリー・ミトコ(Valery Mitko)被告(78)が中国に国家機密を漏らした容疑で、反逆罪で起訴された。2月から軟禁されている。ロイター通信によると、有罪判決を受けた場合、同被告は20年の懲役刑に服する恐れがあるという。

 6月5日、サンクトペテルブルク裁判所はミトコ被告の軟禁期間を10月10日まで延長した。また、メール、インターネット、電話などで他人と連絡を取ったり、外出することは禁止されている。

ミトコ被告の弁護士であるイワン・パブロフ(Ivan Pavlov)氏は6月15日、ゲスト講演のために年に2回中国へ行っている同被告が、国家機密を中国当局に引き渡したことを否定した。

太平洋艦隊に従軍し、元海軍大尉のミトコ被告は、潜水艦探知技術に関する情報を中国当局に提供したことで告発されたと、ある情報筋がインテルファクス通信に語った。

「北極圏の国に親しい」と自称する中国当局は、同地域の未開発資源を有効に利用する方法を模索し、北海ルートを通じた貿易を加速させようとしている。また、北極圏での研究領域にも多くの資金を投入している。

ミトコ被告は、中国共産党に情報を漏洩させたとして「反逆罪」に問われた最初のロシアの科学者ではない。

ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE/RL)の報道によると、2016年、79歳の元ロシア宇宙研究者であるウラジーミル・ラピギン(Vladimir Lapygin)も同様に、反逆罪で懲役7年の実刑判決を受け、政治犯とされた。

ロシアの宇宙機関・ロスコスモス(Roscosmos)の研究部門に勤務していたラピギンは、中国共産党に機密情報を漏らしたことが発覚したが、本人が否定している。

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