2020年4月8日、中国江西省南昌市にあるマスクメーカーの工場で従業員が作業している(STR/AFP via Getty Images)

中国医療品メーカー1300社の対米輸出、同じ架空の販売代理店を利用=WSJ

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)6月12日付によると、少なくとも1300社の中国医療機器・医療品企業が、中共肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大の中、米デラウェア州にある中国系企業、CCTCサービス(CCTC Service Inc.)を、米国での代理店に指定した。しかし、CCTCサービスは架空の会社だという。

米司法省は6月初め、中国のマスクメーカー、金年包装印刷有限公司(King Year Packaging and Printing Co.Ltd.)が米国で偽マスク50万枚を販売し、米監督当局である食品医薬品局(FDA)に虚偽の会社情報を報告したとして起訴した。起訴状は、司法当局が同社の米国代理店であるCCTCサービスに電子メールを送り、質問を行ったが、同社から返答はなかったと明らかにした。米司法省は、「CCTCが偽の会社である可能性が高い」との見解を示し、米政府の監督管理を避けるために設立されたと指摘した。

CCTCサービスが販売している中国製のN95マスク、手術用マスク、手術室で使う靴カバー、抗菌・抗ウイルス剤入りのN95マスク、防護服など、中共ウイルスが大流行している現在、多くの医療施設で使われているという。

同報道によれば、米政府の規定では、すべての外国医療機器企業は米国で代理店を設立する必要がある。商品のリコールなど緊急問題が発生した際に、米FDAが米代理店を通じて海外メーカーに連絡する。このため、米政府は代理店に対して、実在の住所や電話番号を使用するよう要求している。

WSJの調査では、1300社以上の中国企業がCCTCサービスとの間で代理店契約を結んだにもかかわらず、米国の法人登録情報にはCCTCサービスが存在しないことが判明した。調査員が同社の住所をもとに、デラウェア州ウィルミントン市を訪ねた。そこに3階建ての建物はあったが、建物の住民らはCCTCサービスと中国企業について「何も知らない」と話した。

CCTCサービスの親会社は中国深セン市にある深セン欧華検測技術有限公司(Shenzhen CCT Testing Technology Co., Ltd.)。同社の担当者はWSJに対して、「われわれは偽の会社ではない」と主張しながら、米国でCCTCサービスを正式に法人登録したことはないと認めた。

深セン欧華検測技術有限公司は5月13日、コロラド州で新たな現地子会社、CCTC Services United Inc.を設立し、法人登録を行った。しかし、FDAの公開情報には、今年3月にすでにこの新会社の名前が記載されていた。新会社の所在地には、FDAが禁止したレンタルの郵便受けだけが置かれており、会社の電話もつながらないという。FDAの公開情報によると、現在、約50の中国メーカーが、CCTC Services United Inc.を米国の販売代理店に指定している。

FDAは今年5月、在米代理店に問題があるとして、中国メーカー数十社のN95マスク販売許可を取り消した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
オーストラリアのピーター・ダットン国防相は22日、宇宙司令部の設立を発表し、「強硬で好戦的な中露両国」に対抗できる宇宙軍事能力が必要だと述べた。
中国メディアは、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、反米・反北大西洋条約機構(反NATO)などの親ロシア政権の宣伝工作(プロパガンダ)を積極的に推進している。
ロシアのウクライナ侵攻に対して世界の有力国が一致団結してロシアに壊滅的な経済制裁を加える中、米国はロシア支援を続ける中国企業への制裁も視野に入れ、中露の枢軸を断ち切ろうとしている。
欧米の経済制裁はロシアを中国共産党に接近させ、権威主義の枢軸は中国とロシアの勢力圏にある他の国々に拡大する可能性がある。