【ショート・エッセイ】
アオザイと微笑みの国へ
ホーチミン市となった今は、もちろん平和な町になった。最近そこへ行ってきた知人の話によると、道路にはバイクや自転車があふれ、活気に満ちていたという。
それでもサイゴンという旧名が、今も頭から抜けないでいる。政治的な意味ではもちろんない。世界地図を眺めるのが好きだった小学生の頃から「ベトナムは南北に分かれていた」という地図上の印象と、ニュース速報で飛び込んできた「サイゴン陥落」の強烈な記憶が、数十年を経た今も残っているからなのだ。
ミュージカル「ミス・サイゴン」のクライマックスでは、凄まじい爆音とともにステージ上にヘリコプターが降下してくる。サイゴンに最後まで残っていた米国人をあわてて飲み込んだヘリコプターは、手に証明書を持ち、金網ごしに助けを求めて叫ぶ群集を見捨てて、逃げるように飛び去るのである。
関連記事
京都菓匠「清閑院」が米ニュージャージーのMitsuwaにオープン。宇治抹茶の和菓子で、日本の四季と風雅を届けます。
離陸と着陸時だけ窓のシェードを開けるのはなぜ? 知ると納得の航空安全の話です。
止まらない咳は、体からのサインかもしれません。中医学で咳に用いられるツボ「孔最」と、その刺激方法を紹介します。
スマホや通知に追われる毎日。実は、ほんの少しデジタルから離れるだけで、睡眠や集中力、心の余裕が大きく変わるかもしれません。自然の中で心と脳をリセットする「デジタルデトックス」の効果に迫ります。
「朝活」は本当に正解なのか。30日間の実験が教えてくれた、続けることと休むことの意味。