上野・不忍池 の蓮(写真=大紀元)
【ショート・エッセイ】

泥より出づる芙蓉のように

我が国最初の勅撰集である『古今和歌集』に、蓮を詠んだ一首「蓮葉(はちすば)のにごりに染まぬ心もてなにかは露を玉とあざむく」がある。

 歌意は、「蓮の葉は、泥水から生えて少しも濁りに染まらない清らかな心をもっているはずなのに、どうして葉の上に置く露を玉と見せかけて人を欺くのか」というもの。要するに、聖なる花である蓮が「人を欺く」というところに諧謔を込めたひねり歌なのであるが、技巧を求めて言葉遊びに流れた感もあり、あまり趣味の良い歌ではない。

 作者は誰かと見てみると僧正遍照とある。なるほど平安六歌仙の一人、あの遍照(遍昭とも書く)かと思い当たれば、『古今和歌集』の序文の一つである仮名序を読んだことのある人であろう。

▶ 続きを読む
関連記事
手のひらの赤みや白目の黄ばみは、単なる疲れではないかもしれません。沈黙の臓器と呼ばれる肝臓は、意外な場所にサインを出すことがあります。
二百年同じ井戸水で豆腐を作る京都の職人や、一生ものの伝統工芸品。効率よりも誠実さを選び、自らの心を映す「ものづくり」の姿勢から、世界中を惹きつけ信頼される日本固有の「信」の精神を紐解きます
テスラのCEOのイーロン・マスク氏の面接方法は独自のもので、その中でも特に好んで尋ねる一つの質問は、うそをついている人物を見分けるのに役立つことが研究でも確認されている。その方法とは
激闘の直後も更衣室を清掃する日本代表と、スタンドのごみを拾うサポーター。勝敗を超え、静かに受け継がれる「礼」と他者への敬意の美徳が、一枚の畳まれたタオルを通じて世界中の人々に深い感銘を与えている
喉の乾き、だるさ、イライラが気になる処暑。冬瓜とゴーヤを組み合わせるだけで、夏の名残の熱を冷まし、初秋の体を整える食卓に。