【ショート・エッセイ】漱石と天麩羅そば

故・司馬遼太郎さんのエッセイ『街道をゆく・閩のみち』の中に、夏目漱石の小説『坊ちゃん』についての、おもしろい指摘がある。

 その概要は次の通り。温泉浴場で八銭の湯賃をだす上客には、湯屋からの接待として「天目に茶を載せて出す」と漱石は書いているが、これはどういうことなのか。巻末の注釈には通常「天目とは天目茶碗のこと」と解説されている。中国江南の窯で作られるすり鉢のような抹茶茶碗であるが、それにしても茶碗に茶を「載せて出す」という日本語は、どうもおかしい。

 そこで司馬さんの推理は、漱石の書いた天目とは、茶碗ではなく、おそらく茶碗を乗せる「天目台」であろうということだ。

▶ 続きを読む
関連記事
豆の色は五臓と深く関係し、体質に合った豆を選ぶことで免疫力や体調を整える助けになります。あずき、緑豆、大豆、フジマメ、黒豆の特徴と活用法を紹介します。
高速道路脇でくつろぐ巨大グリズリー——偶然の出会いが生んだ奇跡の一枚。カナダ・バンフの大自然と、野生動物の意外な素顔に心が和む写真ストーリー。思わず見入る体験談です。
「自分を大切にする」とは、甘やかすことではない——快適さに流されがちな時代に、本当の自己愛とは何かを問い直す一編。心と生き方を整える、少し厳しくも深いヒントが詰まっています。
自閉症は「一生変わらない障害」だと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。最新研究と専門家の見解から、発達の仕組みや改善の可能性、早期介入の重要性を丁寧に解説します。理解が深まる一編です。
がん細胞は糖だけでなく、脂肪やアミノ酸など複数の燃料を使い生存します。研究者は、この代謝の柔軟性を断つ新たな治療戦略に注目しています。