【ショート・エッセイ】漱石と天麩羅そば

故・司馬遼太郎さんのエッセイ『街道をゆく・閩のみち』の中に、夏目漱石の小説『坊ちゃん』についての、おもしろい指摘がある。

 その概要は次の通り。温泉浴場で八銭の湯賃をだす上客には、湯屋からの接待として「天目に茶を載せて出す」と漱石は書いているが、これはどういうことなのか。巻末の注釈には通常「天目とは天目茶碗のこと」と解説されている。中国江南の窯で作られるすり鉢のような抹茶茶碗であるが、それにしても茶碗に茶を「載せて出す」という日本語は、どうもおかしい。

 そこで司馬さんの推理は、漱石の書いた天目とは、茶碗ではなく、おそらく茶碗を乗せる「天目台」であろうということだ。

▶ 続きを読む
関連記事
首の痛みにカイロプラクティックは本当に効くのか。最新の大規模研究をもとに、効果が期待できるケースや安全性、他の治療との違いまでを丁寧に解説。迷っている人が判断しやすくなる実践的な知見をまとめました。
家庭にあるモノを芝生に撒くだけで、雑草の発芽を抑える効果があると専門家は説明します。化学除草剤を使わずに庭を守る自然な雑草対策を紹介します。
毎日の食卓に並ぶ魚やエビ。その可食部からもマイクロプラスチックが検出されたという衝撃の研究結果が明らかに。私たちの健康への影響は?知らずに口にしている現実と今後の課題を詳しく解説します。
子どもを守るつもりの行動が、実は自信や回復力を弱めていることがあります。心理学者が指摘する「過度な養育」の5つのサインと、子どもの自立を育てる関わり方を解説します。
古代中国の食医は、薬ではなく「食事」で体を整えていました。五行や季節の変化を読み取り、食材の性質で気の流れを調える――東洋医学の原点にある食の知恵を解説します。中医学 食養生 薬食同源