【仏家故事】 貧乏人と裕福な商人たち

昔、善良な貧乏人がいた。彼は商人たちの使用人として働いていた。

 ある日、商人たちは貧乏人を連れて海へ宝探しに出かけた。たくさんの宝を発掘し、引き返す途中、彼らの船は突然停まってしまった。必死に漕いでも船は前へ進もうとしない。商人たちは、宝を採った自分たちが海の神を怒らせしまったのだと考え、ひざまずいて慈悲を請うた。貧乏人だけは、それまで何もやましい事をしたことはなく、神に祈ることはしなかった。

 商人たちが思った通り、やはり海の神は怒っていた。神は商人たちを懲らしめるため、船を沈没させようとしたのだ。しかし、船の上には善良な貧乏人がいるため、彼を巻き添えにすることはできない。

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